episode7 ページ7
なにやらばたばたと部屋を出て行ったかと思うと、画用紙を持って戻ってくる。
「あのね、あのね?あのね、僕もね、鉄砲百合の絵、描いたんだよ」
これ見てこれ、と見せられたのは、小学生が描いたのかと思うほどの拙い絵。
「驚くほど下手…」
「こらメグ、しーっ」
失礼なやつらめ。
「ねえ。ここ、おかしくない?福永の永が、氷になってる」
「あぁ〜。それはね、子供の頃からの右近の癖なんですよ」
結局その後はケバ目な女性のヒステリーにより、大した情報も得られないまま追い返されてしまった。
「ねぇ朋江さんやけに丁寧じゃなかった?特にお父さんに対する言葉遣いとか、なんか家族じゃないみたいな」
「血がつながってないって言ったっけ。両親は再婚同士で、朋江さんはお母さんの葉月さんの連れ子かな」
「じゃあ右近さんと朋江さん血が繋がってないんだ」
急に立ち止まった流。
「流も気になる事あるの?」
数歩先へ行っていた3人は流の元へと戻る。
「お父さんの転落事故の事、何か知ってるかな」
「聞いてないけど…。あ、そだ。キンタに頼んで情報屋のお姉さんに…。って、いないんだよねキンタ」
「数馬もいないからパソコンもないし…。てか、Aはずっと黙ってどうしたの」
「んー?ちょっとね〜…」
ちらりと何かを見たAの視線につられて究はそちらに目をやる。
不思議に思ったメグも視線を向けると、やっているのかわからないほど閑散とし、不気味な雰囲気を醸し出す植物園が。
「何でもないよ。行こっ」
歩き出す4人。
植物園の門の奥からは、冥王星のメンバーである黒尽くめの男が、4人を見送っていた。
Aが男の纏う異様な雰囲気に気づいたのか、それともたまたま見ていたのかはわからないが、男は満足そうに少し笑みをこぼした。
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癒璃華(プロフ) - 手足さん» きづくの遅くなってすみません!これだけは最後まで書ききるつもりです。最後までお付き合い、よろしくお願いします (2020年12月22日 12時) (レス) id: c85d21b8f5 (このIDを非表示/違反報告)
手足 - 最後まで描いて欲しいです。いつも応援しています! (2020年11月9日 7時) (レス) id: 6bae014384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:癒璃華 | 作成日時:2020年4月29日 15時