episode3 ページ3
一方ミッションルームに残った3人。
「Aは、知ってたんだろ。冥王星の事」
「…うん、なんとなくね。冥王星って組織自体は知らなかったけど、何か裏で糸を引いてる人間がいるのはわかってた」
言えなくてごめん、とAは俯く。
「まだ、隠してる事あるでしょ」
「何が?」
「何か、大切な事」
真っ直ぐな数馬の視線。
「…ごめんね」
Aは、困ったように笑うだけだった。
「3人共、ちょっと来て〜」
メグから声がかかる。
Aはこれ以上の追及を避けるように、足早にミッションルームを出た。
「あぁ、王子。どうしたの?」
「Aたん!!!」
たん…と流も究と同じ反応を示す。
「いやあの、メイド喫茶の常連さんなんで。変な目で見ないで?」
「君、Aたんの何!こっちの少年より一緒にいるよね!!」
流にも右近は詰め寄る。
「王子、気にしないで。天草くんは学校のクラスメイトなの。彼、私しか友達いないから…」
「黙れ。よくもそんな嘘を…」
怒る流と、某有名ケーキ店のキャラクターのように舌をぺろりと出し、斜め上に視線をやって誤魔化すA。
いつも通り過ぎる光景に、究は少し安堵した。
「それで、王子は今日どうしたの?」
右近はある一枚の紙を取り出した。
メグがそれを受け取る。
「この妙な手紙が、王子の家に届けられたの。で、あたしが探偵だって知って、相談受けてたんだ」
「そこぉ!」
シャツを脱ぎ、Tシャツの袖を捲り上げてダーツをしていた右近がいきなり振り向いて究を指さす。
「そこ〜!ここ!近い近い近い!!」
甲高い声で叫びながら、究とメグの間に割って入る右近。
いい人なんだけど、声どうにかならないかなぁ耳が痛いや。
なんて、Aはため息をついたのだった。
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癒璃華(プロフ) - 手足さん» きづくの遅くなってすみません!これだけは最後まで書ききるつもりです。最後までお付き合い、よろしくお願いします (2020年12月22日 12時) (レス) id: c85d21b8f5 (このIDを非表示/違反報告)
手足 - 最後まで描いて欲しいです。いつも応援しています! (2020年11月9日 7時) (レス) id: 6bae014384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:癒璃華 | 作成日時:2020年4月29日 15時