検索窓
今日:3 hit、昨日:40 hit、合計:27,405 hit

episode19 ページ19

「それを明かさなかったのは、あの悪魔のような女の手から身を守るためだ。だが、しかし…右近にあの女の魔の手が伸びる事だけは避けたかった。だったら、いっそ、この手で…」





左門は力なくベッドに腰かけ、ベッド脇のテーブルにあったコップの水を飲み干した。





「…右近はね、本当は頭の良い子なんですよ。私の事故の真相だって最初からこいつは気が付いてた。だから幼稚なフリをして、自分の身を守っていただけなんです」





右近は気まずそうに俯いた。





「そうだろ?右近」





右近は気まずそうなまま、頭に巻いていたバンダナを外した。





「納得できません。あなたは、それ程までに息子さんを愛しているのに、どうして彼が疑われるような手紙を敢えて作り、葉月さんを呼び出したんですか?」



「最初は右近に目が向いても、すぐに疑いが晴れて、二度と、こいつは疑われなくなる。そう考えた」



「この計画を考えたのは、左門さんじゃないですよね?提案してきた組織の名は、冥王星。違いますか?」





左門はゴッホの本を取り出し、本来なら本が入っているはずのケースの中から、携帯電話を取り出した。





「奴らとは、この携帯で連絡を取り合ってた。私が知る限り、やつら、…っ!」





左門の言葉が急に止まり、誰もが不思議に思ったその時だった。





左門の口からは鮮血が噴き出す。





諸星と右近の、左門に呼びかける声だけが響く。





朋江は力なく崩れ落ち、数馬はサイドテーブルに駆け寄った。





「毒だ!」





先ほど左門が水を飲むのに使ったコップ。





「水に毒が入ってたんだ」





「…違う、何かが違う」





Aはぽつりと呟いた。





「これは、冥王星じゃない…………」





わかっちゃった、この事件。

episode20→←episode18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
364人がお気に入り
設定タグ:探偵学園Q , Hey!Say!JUMP   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

癒璃華(プロフ) - 手足さん» きづくの遅くなってすみません!これだけは最後まで書ききるつもりです。最後までお付き合い、よろしくお願いします (2020年12月22日 12時) (レス) id: c85d21b8f5 (このIDを非表示/違反報告)
手足 - 最後まで描いて欲しいです。いつも応援しています! (2020年11月9日 7時) (レス) id: 6bae014384 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:癒璃華 | 作成日時:2020年4月29日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。