episode17 ページ17
「でもあたしなら、変な疑いかけられたくないから、昼間に別の事してるフリしてこっそり打つけど?」
「そう。花の件といいパソコンといい、昼間に行っても不自然じゃない行動を、敢えて夜に行っている」
やっとわかってきたか、なんて言いたげに笑みを浮かべるA。
そんな顔をするくらいだから、きっともう犯人は分かっているのだろう。
しかしなぜいつもいつも誰より早く犯人が分かっているというのに、それを周りに話さないのか?
どうして、傍観者のような、それでいて先導者のような立ち位置を決め込んでいるのだろうか。
いつだってAの真意は不明である。
「あたし、ちょっと気になる事があるんだけど」
メグは究と流のところへ行き、ひそひそ話を始める。
Aも慌てて流の隣へ滑り込み、話に参加した。
その輪の後ろに、諸星と猫田が忍び寄る。
究達の推理をあてにしているのがバレバレである。
「「そうか!!」」
究と流はメグの話を聞き終わると、すぐにそう叫んだ。
Aはやっぱり、得意げに笑っているのだった。
その頃、キンタはとある墓地に来ていた。
「連城…連城…」
団のかつての助手、連城悟の墓を探しているようだ。
「団先生?」
ある墓の前に団がいるのに気付いたキンタは眉を顰めた。
団は激しく咳き込み、慌てて近寄ると、口元を押さえていた白いハンカチは、鮮血で赤く染まっていた。
「団先生!」
団はこちらに向かってくるキンタに気が付き、急いで口元の血を拭った。
団の元に跪いたキンタに、団は大丈夫だ、と一言返す。
「大丈夫、って、その血…」
「Qクラスの面々には、内緒にしておいてほしい。私には、時間がないことを」
目の前の墓にちらりと目をやると、そこには“連城家”の文字と、今しがた供えられたであろう花束。
「遠山。探偵にとって一番大切なものは何かわかるか?」
「え?」
「もちろん、推理力も大切だ。しかし、一番大切なものは、悪と立ち向かう、勇気と正義感。君たちはまだまだ未熟だ。しかしその点だけは、私にも、七海にも引けを取らない。Qクラスは素晴らしいチームだ。七海からの報告によれば、彼らは現在、冥王星の事件を追っている。どんな不測の事態が起きるかもしれん。…もしもの時、あの子たちを守ってやれるのは、君しかいない。」
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癒璃華(プロフ) - 手足さん» きづくの遅くなってすみません!これだけは最後まで書ききるつもりです。最後までお付き合い、よろしくお願いします (2020年12月22日 12時) (レス) id: c85d21b8f5 (このIDを非表示/違反報告)
手足 - 最後まで描いて欲しいです。いつも応援しています! (2020年11月9日 7時) (レス) id: 6bae014384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:癒璃華 | 作成日時:2020年4月29日 15時