episode9 ページ9
「落合!厳しくいくぞ、覚悟しとけ!」
暴れる落合を刑事2人がかりで押さえつけ、手錠をかけたその瞬間だった。
いきなり脱力し、茫然自失となった落合。
「どうしたっ!?」
「わかりません!」
奇妙に思いながらも、諸星は落合を連れてパトカーで署に帰っていった。
最後の覆面パトカーが走り出したのを見て、キンタは俺たちも帰るか、と声をかけた。
帰りますか、と歩き出す一同に少し遅れて、ゆっくりと歩き出す流。
究は立ち止まって、流、と声をかけた。
「昨日、男の人に呼び止められて、妙な事言われたんだけど」
会話の内容が聞こえたのか、察してなのか、Aもその輪に加わる。
不思議そうな顔で少し首を傾げた流。
「“天草流の…正体を知ってるか”、って…」
流は視線を斜め下に落とした。
「それって、どういう事?」
「今はまだ、話したくないんだ」
そう言って流は決まり悪そうに歩き出す。
「分かった。僕からはもう、詮索しない。だから、流から話してくれるまで、待ってるから。…ね?」
何も言わずに足を進める流。
「ま、何があったって天草くんは天草くんだし、変わんないよね!」
後ろから勢いよく流に突撃したAは明るく笑ってみせた。
「正体とかどーでもいいよそんなの。あの音痴のおじさん気持ち悪かったし、気にしないでおこうよ。ね、究」
「…うん、そうだね」
「やめろよ」
腕を絡ませ始めたAを鬱陶しそうに振りほどきながら歩いていく流はいつも通りで、究は少し安堵した。
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みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» わぁ〜!楽しみに待っています! (2020年4月17日 1時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - みゅーちゃんさん» 体の心配までして頂いて、ありがとうございます!毎日色々捗りすぎて廃人寸前です。下書きが勝手に佳境を迎えてて毎日頭悩ませながら楽しく書いてます。下書きが完成次第大量投下の予定なので、しばらくお待ちくださいね〜 (2020年4月17日 1時) (レス) id: 1c23a7eb52 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» 楽しみにしてます!この事態ですから体調にもお気をつけください。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - みゅーちゃんさん» ありがとうございます!現在次々下書きを進めていますので、順次ストックが出来次第更新していきますね〜!コロナ休暇のうちにやっちゃわないと、また止めちゃうので… (2020年4月11日 19時) (レス) id: c85d21b8f5 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» 早速読ませていただきました!これからも応援しています! (2020年4月11日 15時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:癒璃華 | 作成日時:2018年3月22日 19時