検索窓
今日:9 hit、昨日:13 hit、合計:64,263 hit

episode22 ページ34

足元から視点がだんだん顔の方へと上がっていく。





「天草くん!」





ばん!と思いっ切り流の部屋のドアを開けたのは、他の誰でもないAだった。





「っ希ノ峰!?どうしてここにっ、今日は入院なんじゃ」



「こんな時に呑気に病院のベッドでなんか寝てらんないよ。抜け出してきた」





さっきは取り乱してごめん、と呟きながら流の隣に膝立ちになるA。





流はAの体調や精神面的に来ない方が良かったのでは、と思いつつ、映像に視線を戻した。





胸の上に白いクッションが置かれていると思えば、何かの柄が突き刺さっていた。





明らかに、ナイフのそれであった。





流が目を見開き、Aが流の腕に抱きつき、遠矢が短い悲鳴を上げたその時、被害者の顔が大写しになる。





目を見開き、口の端から血を流した朝吹だった。





「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」





メグの悲鳴が、夜の闇にこだました。





「希ノ峰っ」





パニックにこそなっていないものの、Aの呼吸がだんだん早くなっていく。





過呼吸になり、喉からひゅーひゅーという音がもれ始めたA。





流は拙い、と辺りを見回し適当な袋でAの鼻と口を覆った。





「ゆっくり深呼吸して」





流が背中をさすりつつ深呼吸を促すと、Aは素直にそれに従う。





呼吸が落ち着くと、パニックでぽろぽろ流れる涙を強引にぬぐいながら、Aは立ち上がる。





「現場に行こう」





強い決意を宿した瞳。





Aの芯の強さは誰も真似できないな、なんて流は少し安堵した。





流と遠矢は部屋を出ようとするAの背中を追いかける。





流は、Aが自分の中にある“何か”と戦っていることに気づいていた。





なんとなくその“何か”がわかるような気がした。





でもただ今は、そばで見守ろう。





いずれ訪れるであろう、Aの口から真実を聞けるその日が来るまで。





To be continued.....

Side Story “Day 1.S”→←episode21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
345人がお気に入り
設定タグ:探偵学園Q , Hey!Say!JUMP   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» わぁ〜!楽しみに待っています! (2020年4月17日 1時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - みゅーちゃんさん» 体の心配までして頂いて、ありがとうございます!毎日色々捗りすぎて廃人寸前です。下書きが勝手に佳境を迎えてて毎日頭悩ませながら楽しく書いてます。下書きが完成次第大量投下の予定なので、しばらくお待ちくださいね〜 (2020年4月17日 1時) (レス) id: 1c23a7eb52 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» 楽しみにしてます!この事態ですから体調にもお気をつけください。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - みゅーちゃんさん» ありがとうございます!現在次々下書きを進めていますので、順次ストックが出来次第更新していきますね〜!コロナ休暇のうちにやっちゃわないと、また止めちゃうので… (2020年4月11日 19時) (レス) id: c85d21b8f5 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» 早速読ませていただきました!これからも応援しています! (2020年4月11日 15時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:癒璃華 | 作成日時:2018年3月22日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。