episode19 ページ31
外も闇に包まれ、生徒一同は現場を追い出された。
流は朝吹を寮まで送ることになった。
「いいなぁ〜」
ふと朝吹が口を開く。
「天草くんと、究くんと、美南さんとA。4人だけの、秘密があるんでしょ」
図星な流は普段には似合わず、ばっと朝吹を振り向いた。
「…え？」
「分かってる。でも、そういうの羨ましいなぁ〜。それに、2人とも考え方は違うけど、ちゃんとそれぞれ美南さんとAのこと気遣ってる」
「別に、僕はそんなつもりは…」
「あんだけAの事に一生懸命になってて何言ってるのよ。あれれ？何、照れてるの？」
「真面目に言ってるんだけど」
「だったらそれは流くんが気がついてないだけ。あんな風に、仲間の為に喧嘩出来るなんて羨ましい」
女子寮と男子寮の分かれ道に差し掛かり、朝吹はさっさと女子寮の方に歩いていく。
流を振り向くと、何言ってんだろ、なんて顔を一瞬するも、すぐに明るい笑顔を浮かべた。
「ばいばーい！」
朝吹は去っていく。
その背中を見つめながら、流は今の言葉の意味を考えた。
ふとその時、ポケットが震えた。
キンタから電話で、Aは今夜一晩入院するとの事だった。
かなり精神的に参っているらしく、明日も体調を見て戻れるかどうかを判断するらしい。
一方流が朝吹を送っているとき、究は女子寮の入口でメグを待っていた。
蚊に噛まれ、ああもう、と奮闘していると1台のタクシーが目の前に止まり、メグが出てくる。
しーしーと歯の間に詰まったものを爪楊枝で取る姿はおっさんそのもの。
「メグ？」
究が声をかけると、メグは慌てて爪楊枝を後ろに隠し、優雅に手を振った。
部屋に向かいながら話していると、メグは長い緊張から解放されてお腹が空いたらしく、ラーメンを2杯も食べたのだそう。
究は余程かゆいのか、腕や背中を掻き毟る。
ここここ、と立ち止まったメグは「じゃあね〜おやすみぃ〜！」
と、ハイテンションに究に笑顔を向けた。
「じゃあね、おやすみぃ！」
究も同じジェスチャーで返すと、今来た道を戻っていく。
部屋に入ろうと振り返り、ふとメグは亀田が殺された時の事を鮮明に思い出し、立ちすくむ。
1度は階段を降りたものの、気になって戻ってきた究が、その背中を見つめていた。
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みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» わぁ〜！楽しみに待っています！ (2020年4月17日 1時) (
レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - みゅーちゃんさん» 体の心配までして頂いて、ありがとうございます！毎日色々捗りすぎて廃人寸前です。下書きが勝手に佳境を迎えてて毎日頭悩ませながら楽しく書いてます。下書きが完成次第大量投下の予定なので、しばらくお待ちくださいね〜 (2020年4月17日 1時) (レス) id: 1c23a7eb52 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» 楽しみにしてます！この事態ですから体調にもお気をつけください。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - みゅーちゃんさん» ありがとうございます！現在次々下書きを進めていますので、順次ストックが出来次第更新していきますね〜！コロナ休暇のうちにやっちゃわないと、また止めちゃうので… (2020年4月11日 19時) (レス) id: c85d21b8f5 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 癒璃華さん» 早速読ませていただきました！これからも応援しています！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 44104ca164 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒璃華 | 作成日時：2018年3月22日 19時
