探偵学園Q #3,4

episode16 ページ28

「どこだっ？どこからこの時計台を…！」





時計台に到着した一同は、辺りをぐるぐる見回す。





「あれだ！角度からしてあそこだ」





流が指さしたのは、ここから少し階段を降りたところにある部屋の窓。





「体育館の倉庫だ…！」





富永の声に、究と流は走り出す。





「メグ！A！」





究は勢いよく部屋に飛び入った。





部屋の右奥に2人はいた。





「メグ！A！」





流は究より先に駆け寄り、床に力なく倒れているAを急いで抱き起こす。





「希ノ峰、希ノ峰！」





呼びかけながら首に手を当て脈を計る。





鼻の前にも手をやり呼吸が正常であるのを確認し、一安心する流。





「メグ！大丈夫っ？しっかりして、ねぇメグ！」





究はメグの肩を掴んでメグに声をかける。





メグの縄はキンタが急いで解いた。





メグがゆっくりと目を開ける。





メグの口のガムテープを究は剥がした。





「究…！」



「怪我ない？メグ」



「大丈夫、薬品嗅がされただけだから…」





メグは伏し目がちにそう答えた。





「あま、くさくん…？」





いつつ…と顔を顰めながら起き上がるA。





「無理するな」





流はAの背に手を回して支えてやった。





「それより…！」





メグが真っ黒なカーテンを指さす。





キンタが恐る恐る近寄り、ばっと勢いよく開けると、そこには血塗れでこと切れた亀田がいた。





「きゃあぁっ！！」





誰かが悲鳴をあげ、全員が息を呑む。





「…ぁ、ぁぁっ…！」





Aが頭を押さえて呻き出す。





「ぃやぁっ…いやぁぁぁっ！」





「落ち着け希ノ峰！」





頭をぐしゃぐしゃと掻き乱すAの両腕を流は掴む。





怯えたAの瞳に、流は写っていない。





「ごめんなさいっ…ごめんなさいぃぃぃ！！」





土下座をするようにうずくまるA。





異様な様子に誰もが言葉を失う。





「なにもっ、できなくて…！見てる事しかできなくてっ、ごめんなさい…！」





赦して、赦してと力なく許しを乞うAの目からはぼろぼろ大粒の涙が流れる。





流は無理矢理Aを抱き締めると、大丈夫、大丈夫だから、と宥める。





「早く警察！」





流は背後にそう叫び、震えるAの背をさすり続けた。





見てるだけ、なんてどうしてそんな事を…？





流の頭にはそんな疑問がぐるぐると回っていたのだった。

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