探偵学園Q #3,4

episode3 ページ3

翌日の朝。





新たな被害者が出たというので、究、メグ、キンタ、Aの4人は現場に来ていた。





聞けば、被害者はこの辺の悪ガキだそうだ。





「お、落合。お前、スクラップ・マーダーについて何か面白いネタ持ってないか？内容次第じゃ、刑事課に、推薦してやるぞ」



「いや、その話は、もう…」





諸星と野次馬規制をしていた警官の会話を、Aはじっと聞いていた。





地域の人を身近に守れるこの仕事の素晴らしさに気付いた、と落合と呼ばれた警官は話す。





「ふーん…」





後ろにいたコンビニの店員から、被害者が毎晩店に来て駐車場で音楽を爆音でかけたり迷惑なやつだったと聞いたAは、またかと呟いた。





「あ、そのブックマッチ…」



「あ、また同じマッチだ」





メグの言葉に見てみれば、コンビニ店員の片方がマッチで煙草に火をつけ吸い始めていて、Aは無意識にそう溢す。





「マッチがどうしたの？」



「昨日ホームレスに差し入れしてた蕎麦屋のお兄ちゃんも持ってた。あのラーメン屋さんにも同じマッチがあった！」





マッチはコンビニ店員の行きつけのクラブのマッチだそうで、その店で殺された男の話をしたと店員は言う。





「見つかったわね、事件の共通点」



「犯人はそのクラブで、被害者の情報を手に入れたんだ」



「そうか、そういう方向もあったんだ。そだよね、普通に考えたらそうか」



「ん？どういうことだよ」



「地域に根ざした職業の人なら地域の人と話す間にそういう情報を手に入れられるから、そーゆータイプかなーって思ってた」



「おお、なるほどな」



「それより、みんなはこれからそのクラブに潜入？」



「そうね、それがいいわよね」



「じゃあ私行くね。別行動しまーす」





気をつけてね、と手を振って諸星の方へとAは行ってしまった。





「Aって、もうだいたい犯人の目星付いてるのかな」



「何言ってんの究。こんなに手がかり少なくて分かるわけないじゃん」





いや、そりゃ分かんないけどさ、とメグはもごもごと付け足した。





究はいつも含みのあるような言い方や、ヒントを出すような物言いをするAが気になっていた。

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