探偵学園Q #2

episode17 ページ17

電話はキンタからで、失踪事件の真相が分かったというものだった。





ミッションルームに全員が集まると、キンタは真相について話し始めた。





「メールで洗脳？」





「最初はほんのささやかな警告だったそうだ。」





“君の人生本当にそれでいいのか？もし人生をやり直せたら。君はどんな自分を選ぶ？”





そんな文面のメールが送られてきたそうだ。





「ほんとにやりたい事もできずに、ストレスを溜め込んでた奴らは失踪計画を持ち出され、新しい自分に生まれ変わろうとしたんだ。」





「2人を扇動してた奴の正体は？」





数馬の問いかけに、キンタは素性は分からず、ハンドルネームは“神”だと答えた。





「神？」





「発売前の雑誌や漫画なんかをネット上で流したり、そういうリスペクトされる存在を、ネットの世界じゃ“神”って呼ぶんだ。」





数馬の詳しい解説が入る。





「ふーん。でも、キンタすごいよ！よくそこまで聞き出せたね。」





「え？いや別に、大した事じゃねぇだろ。」





「ライバルに点数取られたっていうのに、究ってほんと無邪気よね。」





「でも...実際キンタはすごいよ。」





究とメグがいつものくだりに入りかけたところで、流の一言がそれを遮った。





「相手の心をほどいて真相を聞きだすなんて、悔しいけど、僕には出来ないな。」





「まずは愛想笑いから始めてみたら？」





必死に笑いを堪えた風のAが口を挟む。





「天草くん、めっちゃ警戒されて、挙句逆ギレされてるんだもんね...！」





ついには堪えられなくなり、ぶふっ、と吹き出し笑い始めたA。





...流のこめかみに青筋が浮かびそうなのは気のせいだろう。





「ねぇ数馬、さっきから何見てんの？」





Aに呆れてパソコンの前へと移動した数馬に、究が問いかける。





塾長の趣味を知っているのは塾の関係者だけだから、と防犯カメラの映像を見ていたのだった。

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