episode16 ページ16
「究、何が分かったのよ？」
究とメグは現場に戻ってきていた。
「犯人が被害者を動けない状態にした理由さ。」
「あぁ、流の言ってたあれ？」
「うん。あれは犯人が仕組んだ、巧妙なアリバイトリックだったんだよ。」
「アリバイトリック？」
「うん。」
究はディスクをステレオにセットし、音楽を再生する。
「五十嵐先生は毎晩、大音響で音楽を聴く習慣があったんだよね？」
「うん。」
「犯人は、音楽によって発生する、共鳴振動を利用して、五十嵐先生を殺したんだ。」
「共鳴振動？」
「物質がその大きさに合った波長の音に共鳴して、振動を始める現象だ。」
そうして究はブルーシートを敷き、その上に“五十嵐”と書いた紙の上部分に粘土の球を置く。
「まず犯人は、五十嵐先生を睡眠薬か何かで眠らせ、花瓶と燭台を利用して、ナイフが頚動脈に刺さるように装置を作ったんだ。」
棚の上に“花瓶”と書いた水を入れたペットボトルを置き、燭台に見立てた立てて半開きにしたノートを粘土球の横に置いた。
そして、棒にはさみの指を入れる部分を通し、ノートの上に棒の両端を乗せる。
「そして音楽をタイマーで作動させ、花瓶を本棚の上から落とした。」
メグが最大まで音量を上げると、ペットボトルの水が揺れ始め、底の半分程度しか棚に乗っていなかったペットボトルは、やがて耐え切れずに落下した。
すると丁度その下にあったはさみに当たり、はさみの先は粘土球に突き刺さった。
「刺さった...！」
「つまり犯人は、犯行が行われた時間、ここにはいなかった。五十嵐先生の、毎晩音楽を聴く習慣を利用して、遠隔操作で五十嵐先生を殺した。」
「じゃあ、犯行時間の防犯カメラには映っていなかった人が、真犯人って事？」
「うん、そういう事になる。あとは、どうしてあんなに離れた置物が、こんなところに落ちてたかなんだよなぁ...。」
その時、究の携帯電話が鳴り響いた。
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癒璃華(プロフ) - 神代さん» ありがとうございます！これからオリジナル要素もたくさん入れていくので、楽しんでいただけたら嬉しいです♪ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: 3f4d3d3429 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - くるみパンダさん» 更新がかなり開いてしまったのでストーリー忘れますよね、申し訳ないですm(_ _)mなるべく毎日更新できるよう頑張ります！ (2018年3月18日 17時) (レス) id: 3f4d3d3429 (このIDを非表示/違反報告)
神代(プロフ) - 1から読み返して来ました！やっぱり面白いです！これからも頑張ってください！楽しみにしてます (2018年3月18日 14時) (レス) id: a8345a49af (このIDを非表示/違反報告)
くるみパンダ(プロフ) - 1から読み返してきます~~ 楽しみです (2018年3月16日 22時) (レス) id: f2485fbfb6 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - みゅーちゃんさん» ありがとうございます！頑張りますね♪ (2018年3月15日 20時) (レス) id: 3f4d3d3429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒璃華 | 作成日時：2016年3月22日 11時
