episode10 ページ10
棲龍館の上空では、尚もカラスが不吉に鳴いている。
用心しながら蛙の扉を開け、大広間に現れたキングハデスと流。
「どうやら、ホテル全体がもぬけの殻のようですね…」
部屋を見回し、流はそう呟く。
大時計が5時半を告げる。
「キングハデス！」
蛙の扉から入ってきたのは、Qクラスメンバーだった。
「貴方が来るのを、待ってました。…………流、ありがとう」
「……究」
キングハデスの隣を離れ、流は究の隣に並んで向き合った。
「信じてた」
頷く究。
二人は微笑みあう。
「ねえ、私は？」
「希ノ峰はどうせ僕の計画、最初から分かってただろ」
「へへ、そうだよ。でも、大体の流れと目的は分かってても、天草くんがあんな夜中も逃げ回るなんて想定外すぎだよ。心配したんだからね！」
怒ってみせるAをよそに、流はキングハデスと向き直った。
「流…」
「おじい様には、僕が貴方の催眠にかかり、Qクラスを裏切ったように見えたでしょう」
流は眼前で揺れるペンダントを思い出す。
「僕は悪魔のささやきをはねのけるために、貴方との対決をずっと頭に思い描いてきたんです。催眠に負けないように心の訓練も積んできました。今回の殺人計画はすべて貴方が立てたものだ。貴方の目を見たとき、僕はそれを確信しました。だから催眠にかかったふりをして、真相をつかむチャンスを伺っていたんです」
「流…！」
「やっぱり、流は流だったんだ！」
「心配かけやがって…」
「ごめんなさい。流の事疑ったりして…本当にごめんなさい！」
泣きそうな顔のメグ。
「怖い思いをさせてすまなかった…。でもああするほかになかったんだ」
「敵を欺くにはまずは味方から、って言うもんね。天草くんの計画が漏れちゃったら全部おじゃんになっちゃうし……。私も言わなくてごめんね」
「流」
流は急に険しい顔に戻り、キングハデスを睨みつける。
「お前は、仲間の命を犠牲にする覚悟で、危険な賭けに出たの言うのか？」
「みんなに何かあれば、僕だって生きていられない。でも究は約束を守ってくれる。そして希ノ峰だって僕の事をよくわかってくれてる。だからきっと、僕が言った通りにトラップから脱出してくれると信じていたんだ」
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ツキツキ - 癒璃華さん» 癒璃華様、心のこもったお返事本当にありがとうございます。作品に軸を通す…そうなってます素晴らしいエンディングでした！ また彼らと会えるよう願って、では笑顔で締めたい――つんでれメイドのユウリと一緒に手でハート作ってチェキ撮りたいです！！！ (2021年2月28日 23時) (
レス) id: f33cc7d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - ツキツキさん» 誕生日あんまり関係ない感じにはなってしまいましたが…笑 楽しんで頂けたなら何よりです。シリーズ最初の、♯0と最後の♯11のラストを合わせる事で、物語に軸を通せるかな、と盛り込んでみました。私もツキツキさんも、また彼らと会えるよう願っております (2021年2月28日 21時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - 瀧さん» 二次創作と言うからには、原作の雰囲気を壊してはいけない、とドラマをとても大切にしながら書いていたので、そう言って頂けると嬉しいです。読んでくださってありがとうございました！ (2021年2月28日 20時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - (続き)ラスト『空に掲げた(割愛)』くだり胸に沁みて。癒璃華様が流、夢主ちゃんQクラス探Qの物語自体を心底愛し大切にしていらっしゃるのが嬉しくて、そしてその溢れる愛情を感じられるこの小説を読めて本当に幸せです！気が向かれましたらまた彼らを書いてください。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - 癒璃華さん» 全て無事完結しましたね、おめでとうございます！！これ程に素晴らしい小説を書き上げ私たち読者に届けて頂き改めて感謝で胸が一杯…更にあぁあ流誕パーティーのリクお応え頂き感激で震えてます、ありがとうございます、よかったね流！サイドストーリーたくさん(感涙)続 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒璃華 | 作成日時：2021年2月17日 19時
