Side story ~Calling~ ページ36
もうそろそろ寝ようとしていた流の携帯が震える。
電話を主を確認すると、流は電話に出た。
「もしもし。どうしたんだよこんな夜中に」
『あ、もしもし天草くん？ごめんね、こんな夜遅く』
相手はAだった。
「また変な夢でも見た？」
Aが時々あの事件の日を夢に見ている事を、流は知っていた。
『………ん、じつは』
思った通り。
『あの日の光景だけは、いまだに慣れなくて………』
泣いているのだろうか。
鼻をすする音が少し聞こえる。
『それで、ちょっと天草くんの声聴きたくなっちゃって』
へへ、と笑うAに流は胸の奥がぎゅうっとなるのを感じた。
自分でもその感情をどう表していいのかわからず、流はそうか、とだけ返す。
「今からそっち行こうか？」
『えぇっ！いいよ、こんな夜中に危ないし。大丈夫、天草くんの声聴いたらちょっと安心した』
「……僕が心配だから。せめて、Aが寝るまで電話つながせて」
『……ありがとう。……………流、好きだよ』
「なんだよ急に」
照れ隠しで咄嗟に笑ってしまう流。
『今、すごく好きだなって思ったから。やだった？』
ああもう本当に。
「いや…………僕も、好きだよ」
電話越しに、Aが嬉しそうに笑う声が聞こえる。
少しはにかんだようなその笑顔が、流にははっきりと思い浮かんだ。
こんなにも誰かを愛おしいと思う日が来るなんて。
「ほら、もう遅いから寝な。冷房で体冷やさないようにね」
『はぁい』
ごそごそとベッドに入る音が聞こえ、流も同じようにベッドに横になる。
元々寝ていたところを起きてしまったAは、すぐに眠気が襲ってきたようで。
ほどなくしてすうすうと軽い寝息が聞こえてきた。
「おやすみ、A。今度こそ、幸せな夢が見られますように」
流は電話を切り、目を閉じた。
以前なら悪夢を見ても隠して強がっていたはずのAが、自分を頼るようになってくれたのが素直にうれしかった。
いつかAがあの日の夢を見なくなる、その日まで。
それまでずっと、自分が一番そばで支えてやりたいと、流は願いながら眠りに落ちたのだった。
Side story ~ After ten years ~→←Side story~Love birds~
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ツキツキ - 癒璃華さん» 癒璃華様、心のこもったお返事本当にありがとうございます。作品に軸を通す…そうなってます素晴らしいエンディングでした！ また彼らと会えるよう願って、では笑顔で締めたい――つんでれメイドのユウリと一緒に手でハート作ってチェキ撮りたいです！！！ (2021年2月28日 23時) (
レス) id: f33cc7d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - ツキツキさん» 誕生日あんまり関係ない感じにはなってしまいましたが…笑 楽しんで頂けたなら何よりです。シリーズ最初の、♯0と最後の♯11のラストを合わせる事で、物語に軸を通せるかな、と盛り込んでみました。私もツキツキさんも、また彼らと会えるよう願っております (2021年2月28日 21時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - 瀧さん» 二次創作と言うからには、原作の雰囲気を壊してはいけない、とドラマをとても大切にしながら書いていたので、そう言って頂けると嬉しいです。読んでくださってありがとうございました！ (2021年2月28日 20時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - (続き)ラスト『空に掲げた(割愛)』くだり胸に沁みて。癒璃華様が流、夢主ちゃんQクラス探Qの物語自体を心底愛し大切にしていらっしゃるのが嬉しくて、そしてその溢れる愛情を感じられるこの小説を読めて本当に幸せです！気が向かれましたらまた彼らを書いてください。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - 癒璃華さん» 全て無事完結しましたね、おめでとうございます！！これ程に素晴らしい小説を書き上げ私たち読者に届けて頂き改めて感謝で胸が一杯…更にあぁあ流誕パーティーのリクお応え頂き感激で震えてます、ありがとうございます、よかったね流！サイドストーリーたくさん(感涙)続 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒璃華 | 作成日時：2021年2月17日 19時
