episode1 ページ1
暗闇の中を駆け抜ける流。
背後から犬が吠えながら追いかけてくるのが分かった。
流はそちらを睨みつけると、また茂みの中へと消えていく。
一方そのころ、Qクラスメンバーの元には、七海から電話がかかってきていた。
団が倒れたのだという。
『とりあえず容体は安定しているが、意識が戻らない。天草の件は、お前らに任せたぞ』
いつの間にか、無縁仏だろうか、地蔵が多く立ち並ぶエリアへと迷い込んだ流。
地蔵たちの中心で大きな岩に座り、そこに一定のリズムで石を打ち付ける人影。
流はその音に吸い寄せられるように、ふらふらと近づいていく。
顔には泥が付き、髪もぐしゃぐしゃ、疲れ切った流はその人影が誰か見止めると、はっと目を見開いた。
「……っおじい様…！」
顔を上げたその人物は、流の祖父、冥王星のキングハデスと呼ばれる男であった。
「迎えに来た。追われてるようだな」
「っおじい様の助けなど必要ありません」
「これまでお前の好きなようにさせてきた。しかし今回の件は、お前ひとりの身に余る。いずれ警察に捕まってしまうぞ。たとえ逃げおおせても、犯罪者扱いされてるお前に、帰る場所はない。団探偵社も、警察と協力して、お前を追う方針を固めたようだ」
ポーカーフェイスを保っていた流も、思わず動揺を隠しきれない。
「どうだ？仲間から犯罪者として追われる気分は。何十年も前の事、私も、お前と同じような目にあった」
「えぇ…？」
「私には、互いを認め合う、最良の友がいた。しかし私には秘密があった。私の母親は、大犯罪者だったのだ。そして、私が犯罪者の子供だとわかると、その友は、手のひらを返すように去っていった。こうして私は裏切られ、見捨てられたのだ」
流は何も言わず視線を逸らす。
「その友が誰かわかるか。…団守彦、お前の恩師だ」
「団先生が…⁉」
「だが今となっては、その裏切りにむしろ感謝している。でなければ、キングハデスとしての私はなかったのだから。その宿命はお前の中にも脈々と流れてる。もういいだろう。私と一緒に来るんだ。お前は、私の後継者なのだから」
そう言ってキングハデスはペンダントを取り出し、掲げて見せる。
流はそれから目が離せない。
「ただ受け入れるだけでいい。自分の宿命を」
ゆらゆらと揺れるペンダント。
「さぁ」
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ツキツキ - 癒璃華さん» 癒璃華様、心のこもったお返事本当にありがとうございます。作品に軸を通す…そうなってます素晴らしいエンディングでした！ また彼らと会えるよう願って、では笑顔で締めたい――つんでれメイドのユウリと一緒に手でハート作ってチェキ撮りたいです！！！ (2021年2月28日 23時) (
レス) id: f33cc7d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - ツキツキさん» 誕生日あんまり関係ない感じにはなってしまいましたが…笑 楽しんで頂けたなら何よりです。シリーズ最初の、♯0と最後の♯11のラストを合わせる事で、物語に軸を通せるかな、と盛り込んでみました。私もツキツキさんも、また彼らと会えるよう願っております (2021年2月28日 21時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - 瀧さん» 二次創作と言うからには、原作の雰囲気を壊してはいけない、とドラマをとても大切にしながら書いていたので、そう言って頂けると嬉しいです。読んでくださってありがとうございました！ (2021年2月28日 20時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - (続き)ラスト『空に掲げた(割愛)』くだり胸に沁みて。癒璃華様が流、夢主ちゃんQクラス探Qの物語自体を心底愛し大切にしていらっしゃるのが嬉しくて、そしてその溢れる愛情を感じられるこの小説を読めて本当に幸せです！気が向かれましたらまた彼らを書いてください。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - 癒璃華さん» 全て無事完結しましたね、おめでとうございます！！これ程に素晴らしい小説を書き上げ私たち読者に届けて頂き改めて感謝で胸が一杯…更にあぁあ流誕パーティーのリクお応え頂き感激で震えてます、ありがとうございます、よかったね流！サイドストーリーたくさん(感涙)続 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒璃華 | 作成日時：2021年2月17日 19時
