借金下僕と宇髄探偵、謎を解く【鬼滅の刃】

ベルゼビュート ページ29

従業員の方に連れて行ってもらい部屋に向かう。どうやら死んでいたのは新郎の父親だったそうだ。会社を経営しており、とても裕福だっただそうだ。

警察も到着し、事情を話して一緒に現場に入る。やってきた刑事さんたちは煉獄さんの部下だそうだ。部屋からは血の匂いが溢れていた。殺された男の人は良い物を普段から沢山食べているのだろう。ふくよかな体つきをしていた。


「これは、何か硬いもので後ろからガッと殴られてんな」


宇髄さんの言ったことに警察の人も頷いた。凶器についてはいくら建物内を探してもそれらしい物は一つも見当たらなかったそうだ。

死体が発見された時に死後硬直が見られなかったことから殺されてから然程時間が立っていないことがわかった。会場にいたほとんどの人がお互いにお互いを見ていたので大体の者にアリバイがあった。そのため死体発見までの1時間の間に会場に居なかった者の所持品検査を行うことになった。

あの場に居なかったのは６人。
お色直しをしていた花嫁。
それについて行った従業員が２人。
殺された資産家の息子である花婿。
資産家の直属の部下。
資産家の従兄弟の男。

それぞれ警察が話を聞いたり所持品を検査したものの、凶器らしいものは見付からなかった。どうしてこんなことに、と花嫁が膝から崩れ落ちた。当たり前だ。幸せなはずの結婚式で人が死ぬなんて、誰が思えるだろう。

警察が聞いた話をまとめるためメモを書き出す。花嫁と従業員はお色直しをしていた。それに花婿が同行した。部下の男は葉巻を吸いにバルコニーへ出ていた。従兄弟はトイレに行った。

この中に犯人がいるはずなのに誰なのか検討も付かない。とりあえず部下の男と従兄弟が怪しいのではないだろうか。一人で行動しているようだし。


「うーん…宇髄さんはどう思います？……って、宇髄さんいないじゃん！どこ行った！？」


気が付いたら部屋の中には私と警察の人が何人かと死体しか居なかった。どうやら隣の部屋に他の人がいるようだ。部屋に入ると誰かが言い争っていた。


「貴方なんじゃないですか？あの人は金を稼ぐ能力はあったが何でも金に物を言わせている節があった。部下だった貴方にも色々と無理難題を押し付けていたと聞いたことがある！貴方が殺したんだろう！！」

「いいや！俺はそんなことはしていない！確かに社長には色々と無理をやらされたがそれでも俺は尊敬していた！」

「お、お客様！落ち着いてください！！」

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