借金下僕と宇髄探偵、謎を解く【鬼滅の刃】

ベルゼビュート ページ28

開いた扉から出てきたのはお色直しを終えた新婦だった。また司会者が盛り上げる。これが結構上手だったりする。

先程と同様、派手なことに変わりないが赤から黄色のドレスに身を包んでいた。ドレスと一緒に髪型も変えたようでほんの少し前とはまた違った印象になっていた。


「凄い、綺麗ですね」

「………」

「宇髄さん？」


突然押し黙ってしまった宇髄さんが周りを見渡す。同じように私も見渡したが特にそれと言って気になるからところはなかった。


「気付かねぇか？さっきから式場の従業員達がコソコソ話してやがる。それに何か焦っているようにも見える」


そう言われてもう一度周りを見ると確かに何かを急いでいるように見えた。ちょうど近くにいた従業員の人に声をかける。しかし、お客様にはお答えできませんと言われてしまった。


「私達、探偵なんです。何かお困りごとがあれば仰ってください。何でも解決します。この宇髄さんって人が」

「お前じゃないのかよ」

「……そ、それが実はさっき＿＿＿」


ようやく答えてくれそうな雰囲気になったその時、会場の真ん中の辺りから親族だろうか、おば様の劈くような大きな声が響き渡った。


「ええっ！死体ですって！！？」


会場が一気にどよめき始めた。帰ろうと席を立つ準備を始める者が出始めた。


「おいあんた！とりあえずこの会場から誰も出させないようにしてくれ！犯人がいるかもしれねえからな！！それと警察に連絡しろ！」


宇髄さんの一言で従業員が慌てて動き出した。改めてこの会場を見渡す。ざっと百人はいそうだ。


「おいお前らも行くぞ」

「いやあああああ！！死体見に行くの！？俺怖いんですけど！！」

「つべこべ言ってねえで早く動け！」

「い"やああああああ！！！！」


引きずられる善逸を眺めながら始まってしまったのだと、ごくりと生唾を呑み込んだ。

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