ベルゼビュート ページ27
結婚式の後は二次会である披露宴が始まった。先程まで純白だったドレスは派手な赤色に変わっていた。どうやら新婦さんが派手な色合いが好きなようで、そこが宇髄さんと同じだなと考えてまた気を落とした。
隣の席に座る宇髄さんを見上げる。さっきのことなんて何でもないような顔をしてた。でも、そういえば何で今日結婚式を挙げた新婦と宇髄さんがあんなことをしていたのだろうか。
「…あの、宇髄さん」
「何だ?」
「えっと、その…今回の依頼の内容って何だったんですか」
「この結婚式に来ること」
それだけなのだろうか。それならわざわざ依頼などせずともよいのではないだろうか。そう思っていると案の定、宇髄さんの言葉が続く。
「ってのは建前で、本当は婿の調査だ。結婚する前に知っておきたかったんだと」
「それでも披露宴も参加しちゃって良かったんですか?他人ですよね」
「ああ、新婦、依頼者が幼馴染なんだよ。」
「あれ、さっきあんた恋人だったって俺に言ってなかった?」
横から話を聞いていた善逸が「あ、あの子美人だなあ」とか言いながら口を挟んできた。でもじゃあそれって。
「それって、今は違うんですよね…?」
「当たり前だろ。あいつ結婚するんだぞ」
色々聞いてもさらに謎が深まるばかりで、結局なぜあんな事をしていたのかはわからなかった。
気が付いたら祝辞が終わっていて、新婦さんがお色直しに行くところだった。目の前のテーブルに並んだ料理に手を付けていなかった事を思い出した。この料理もまた、えらく値が張りそうだ。
「何で向こうの方あんなにざわついているわけ?」
「お色直しの間にメインの子豚の丸焼きを切り分けるらしいよ」
私の問に善逸が答える。確かに焼かれた子豚が群衆の間からちらりと見えた。マイクパフォーマンスを司会者が行うと会場はさらに盛り上がった。
「イベリアから冷凍されて届いたこの子豚は今朝届いたのでとても新鮮です!皆様にこの宴を楽しんでもらいたい、とのことで、新郎新婦よりリクエストがあったこちらをご用意させていただきました。」
「へえ、あとからもらいに行こう」
「…太るぞ」
「宇髄さんうるさいです」
と、そこで披露宴会場の扉が開いた。
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なるせ(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます!続編に移行しました。これからもよろしくお願いします。 (2020年5月5日 1時) (レス) id: e20a86a6d7 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とってもとっても面白いです!更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2019年10月6日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - クラゲさん» ですが鬼だったキャラは響凱同様、今後も一寸ずつ出していこうと思っています。それでもよろしければ、これからもよろしくお願いします。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: e20a86a6d7 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - クラゲさん» コメント諸々ありがとうございます。本当に期待を裏切るようで申し訳ないのですが、ややこしくなってしまって私では書ける自信が無いので組織どうこうは今のところ考えていません。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: e20a86a6d7 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ(プロフ) - コ〇ンだと、敵が黒の組織だから、この作品は無惨様と十二鬼月が敵になりそう…… (2019年9月24日 20時) (レス) id: 3962cab233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるせ | 作成日時:2019年9月23日 12時