借金下僕と宇髄探偵、謎を解く【鬼滅の刃】

ルシファー ページ18

襲われるのは夜だからそれ以外は暇で仕方がない。


「私ねえ、里子って言うの。あの探偵さん、すっごく格好いいわね！あ、でもぉ私の彼には負けちゃうんだけどねえ」


悪い子ではない・・・と信じたい。でも凄く、なんと言うか神経を逆撫でするような喋り方をする子だと思った。


「へえ、そうなんですね」

「私の彼はねえ、和巳さんって言うの。貴女も聞いたことがあるでしょう？」


確かにその名前は聞いたことがあった。この辺りで1番繁盛している呉服屋さんの一人息子だったはずだ。たしか、里子さんの言うように顔がいいと評判だった。


「殺されてしまった人達とは仲がよかったんですか？」

「あの子たちとは和巳さんも一緒によく遊びに出掛けていたの。そのときも和巳さんってばね、」


和巳さんの話をするときの里子さんはとても可愛らしい顔をしていた。ああ、この子は和巳さんのことが本当に好きなんだなあと思った。と、そこであることが引っ掛かった。


「その和巳さんは襲われてないんですか？」

「？ええ、襲われてないわ。だけど私以外の女友達は皆襲われちゃったの」

「女友達？」

「ええ、和巳さんや他の男友達は襲われてないわ」


いろいろ気になる点はあったが、話をしている合間にだんだんと日がおちてきていた。ちょっと外に出ようとすると里子さんが止めてきた。


「外に行かないで！」

「いや、でも一応宇髄さんに今聞いたことを・・・それに、今日必ず襲われるかなんてわかりっこないじゃないですか。家から出なければいいんじゃ＿＿＿」

「そんなことないわ！今日絶対に私は襲われる！今日はどうしても外に出なきゃいけない用事があるんだもん！」

「用事って言うのは？」

「・・・、言えないわ」


依頼をしている探偵に言えない用事ってそんなものがあるのか。小さくため息を溢せば里子さんは下を向いて「ごめんなさい」と言った。

沈黙が続く部屋に扉が開く音がして、2つの足音が近付いてきた。

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