ルシファー ページ17
次の日の朝、かかってきた電話に出て暫く話していた宇髄さんは私と善逸に気だるそうに言ってきた。
「そこの下僕ども」
「ちょ、だから下僕はやめてくださいって言ってるじゃ__」
「仕事だ、行くぞ」
「・・・“下僕ども”って俺も!?Aちゃんだけじゃないの!?」
何故私が下僕ということに善逸は突っ込んでくれないどころか認定しているのだろうか。最近の私の扱いがなんだか悪い気がする。だから今日の依頼は体張っていつもより頑張って、私がいなきゃだめって思わせてやる。そう固く決意した。
「あ、お前ら“のり“持ってけよ」
突然宇髄さんが変な事を言い出した。
のり、のり・・・海苔?と思い、台所から乾燥されたおにぎりに巻くやつを取ってくる。宇髄さん、塩分足りてないのかな。
はい、と海苔を手渡すと「俺じゃなくてお前らが使うんだよ」と言ってきた。私たちの塩分ということらしい。うーん、よくわからない。
「まあ、それでくっつくなら良いけどよ」
更にわからない。ご飯に付けたら海苔はくっつきますよ。取り敢えず、ご飯も持っていくことにした。
しかし、私はまだ気づいていなかった。宇髄さんの言った言葉の本当の意味を、そして自分でした決意がいかに重要なことかということを。
そして気付いたとき、私はすぐに後悔した。こんな風に。
体を張って頑張ると確かに、確かにあの時私は決意した。だけど、だけど!!
「なんで囮なんですかあ!!!」
依頼主のもとに着くとやけに可愛らしい、を通り越した口調の私と女の子がいた。私と同い年くらいだろうか、この子が依頼主らしい。
「だってえ、次に私の耳が狙われるの!絶対だもん!私の友達のほとんど皆が襲われちゃって・・・私、耳あげるなんていや!一昨日の子だって友達で、耳取られる前に肩から切り殺されちゃったんでしょ!?」
「・・・ってことらしいからA、頑張れ」
それ私に代わりに耳取られてくれってことですか。それにしても、
「宇髄さんと善逸はどうするんですか!?私だけ囮とかそんなわけ・・・」
「俺たちは犯人探しだよ。まあ見つからなかったら無事にAの耳が取られて終わりだけどな」
こうして何も無事じゃない囮作戦が幕を開けた。
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なるせ(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます!続編に移行しました。これからもよろしくお願いします。 (2020年5月5日 1時) (レス) id: e20a86a6d7 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とってもとっても面白いです!更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2019年10月6日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - クラゲさん» ですが鬼だったキャラは響凱同様、今後も一寸ずつ出していこうと思っています。それでもよろしければ、これからもよろしくお願いします。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: e20a86a6d7 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - クラゲさん» コメント諸々ありがとうございます。本当に期待を裏切るようで申し訳ないのですが、ややこしくなってしまって私では書ける自信が無いので組織どうこうは今のところ考えていません。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: e20a86a6d7 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ(プロフ) - コ〇ンだと、敵が黒の組織だから、この作品は無惨様と十二鬼月が敵になりそう…… (2019年9月24日 20時) (レス) id: 3962cab233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるせ | 作成日時:2019年9月23日 12時