3:マモン ページ11
私の朝は早い。
まだ空が暗いうちから起きて、朝食を準備する。それも、3人分。
実はこの宇髄探偵事務所の助手は私だけではない。そのもう1人は生まれ持った才能のお陰でどちらかと言うと1人でこなすような仕事が多く、ついでに夜に仕事が多い。まあでも本人はよくわからないところでも寝ることができてしまうらしいから体は大丈夫なんだろう。それでも最近あまり見かけていな___、
「うわあっ」
何かに躓いたと思って足元を見ると眩しい金髪頭が転がっていた。え、怖い。死んでる?
「ちょっと、善逸起きて!」
「ん、・・・あれ、俺寝てた・・・?」
我妻善逸。生まれつき人よりちょっと耳がいい。それ故にお爺さんから面倒を見てくれと預けられただけなのに今では宇髄さんにすっかり使いっぱしりにされている。ああ、同志よ。
いつ帰ってきたのかと聞けば、寝ぼけ眼でわからないと善逸は言った。
「もうちょっと寝てていいよ」
それだけ言って私は日が昇っても起きてこない宇髄さんに寝起きタックルをかましに部屋を出た。