【d!】仮契約 (ページ13)

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第十三話ページ13

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窓硝子に映る長袖ワンピースを来た自分を認識すると、訝しげな目線で見つめた。その後深くため息を吐いた。

「コレで、大丈夫なんだろうか…？」

「待たせてすまない。A嬢」

「ひっ!?」

背後から掛けられた声に、驚いて肩を震わせる。反射的に窓ガラスに背中を預ける。声を掛けた人物は彼女の反応に目を丸くさせながら、可笑しそうに笑った。

「ンッフフ…。そこまで驚かなくても俺は何もしないゾ」

何もしないという表しで、彼は両手を上に上げた。黒いズボンと揃いのテラードジャケットを身に付け、中は白いシャツを身に付けていた。シンプルな服装ではあふが、彼の容姿と相まってよく似合っていた。

「…お、お似合いですね」

「そうか？ A嬢もとても似合っているぞ。――しかもだ」

何かに気づいた彼は、彼女の真正面まで近ずき肩に両手を置いた。そのまま、顔を近ずけ話始める。

「A嬢。気づいたか？」

「な、何をですか…？」

「――ペアルックだッ!!」

高らかに宣言する彼にまたもや、呆然の表情を見せる。そんな彼女にお構いなく、彼は話続けた。

「意図せずした、服装でも無いにも関わらずに我々は今最も恋人らしい事をしている！ ――そう、それがペアルックだ」

彼ら二人は今揃いの色を身にまとっていた。傍から見れば、お揃いのコーデを来ているカップルに見えるかもしれない。

「揃いコーデのおかげか、気分が良くなって来たな。早速行こうか」

「あ、あのですね、フューラーさん。じ、実は」

緊張した面持ちで、言葉を紡ぐ彼女に彼は耳を傾ける。意を決して、口に出す。

「わ、私、今日、デートが初めてなんです！」

「奇遇だな、A嬢。俺もデートは初めてだゾ」

笑顔でストレートに球を返してきた。返された彼女はきょんとした表情を見せる。そんな彼女の手をとって、彼は楽しそうに笑った。

「ハジメテ同士、初体験と行こうか」

微笑む彼に手を引かれながら、二人は初めてのデートを開始した。