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彼女の体も浮き上がり、そしてその風は勢いを増して玄関に立つ人間たちを払いのけ、彼女を家の外まで飛ばしたのだ。その風は母の能力だった。
「逃げて…!い、きて…!」
血を吐きながらそう叫ぶ母の姿は今でもはっきりと覚えている。
それから後のことは全くと言っていいほど覚えていない。太ももに銃弾がかすったことも気づかないほどに、幼い彼女は無我夢中で走り続けた。
ふと気がついた時、辺りは夜になっていて、薄暗い路地裏に座り込んでいた。
警察側は1度は逃げた彼女を捜索したものの、当時11歳の子供が1人で生きていけれるはずがないと判断し、彼女は死んだ者もなった。
結果、彼女は戸籍上では死んでいることになっている。
警察の手から逃げ切ったものの、幼い彼女が1人で生活をするのは容易なことではなかった。
盗みなんて犯罪に手を染めるのは日常茶飯事。そして、自身が異能力者であることを売りにしてお金を稼いだり、身体がある程度発達した頃には自分が“女”であることすらもお金を稼ぐための道具の1つにした。
たった1日を生きるため、その1日を少しでも長く続けるためにあらゆる人間に買われては場所を転々とした。自分自身を商売の道具にして、血生臭く腐った世界で、常に死と隣り合わせの生活を送っていた。
何度も家族の元に行きたいと思ったが、その度に母のあの言葉が浮かんで「死んだらいけない」という気持ちを芽生え彼女は生き延びたのだ。
そんな生活の中で戦場に立つことも多く、ナイフや銃の扱い方に体術をやり方、戦闘中の身のこなしなど、それら全ては戦場での実戦を通して彼女が独学と経験で身につけていった。そして、回数を重ねる度にその腕は磨き上げられてきたのだ。彼女の戦闘スキルの高さはそれ故である。
扱えないでいた異能力も次第に扱えるようになり、異能力を使用した彼女の戦いぶりはかなりの実力であった。
そして、そんな生活を続けてきた彼女は、ただ異能力者と言うだけでこんなにも杜撰な扱いを受けなければいけないのか。そういった気持ちを日々積み重ね、異能力者以外の人間・そして異能対策局の人達に対しての憎しみが日に日に膨れ上がっていったがやり場のないその気持ちを自分の中で止めておくことしか出来なかった。
それから歳月が経ち、彼女が15歳の頃。そんな生活を続けてい時に彼女は「マフィア・デストロイヤー」の前ボスと出会ったのだ。
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砂和(プロフ) - fiaさん» こんばんは、お声かけありがとうございます!是非とも関係を組ませて頂きたいです。fia様のボードにお邪魔させて頂きますね…! (2021年11月17日 19時) (レス) id: 3c22397930 (このIDを非表示/違反報告)
fia(プロフ) - コメント失礼致します。同企画に参加しております『貴船修』の親のfiaと申します。宜しければ、ひばりさんと関係を組ませて頂きたく参上致しました。ご検討のほどよろしくお願い致します。 (2021年11月17日 18時) (レス) @page9 id: 5a762d2ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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