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▼ 備考

【過去】

異能力者の両親のもと、彼女もまた異能力を持って産まれる。下には妹と弟がいて、その2人もまた異能力を持っていた。
父は異能力を隠しながら一般企業で働いており、母は専業主婦で表世界の非能力者の人間達に紛れてひっそりと暮らしていた。
それほど裕福な家庭でもなかったが、穏やかで優しい父に、厳しくそして優しかった母、生意気だけど可愛い妹弟達に囲まれて、毎日帰るべき家があり、三食美味しいご飯を食べ、着る物もあって、温かいお風呂に、ぐっすり眠れるふわふわの布団。家族5人で食卓を囲み、他愛もない話をして笑い合う。そんなごく普通な日常生活は彼女にとってとても幸せな時間だった。

しかし、そんな生活は長くは続かなかった。
彼女が11歳だった頃。当時6歳と幼い弟には「外で異能力を使ってはいけない」という母からの言いつけを完璧に守るというのは難しく、弟は学校で異能力を使ってしまったのだ。
「あの家には異能力者が住んでいる。」
そんな話はあっという間に広がっていき、その日を境に彼女ら家族は異能力者として差別を受ける対象になった。父は会社をクビになり、彼女や妹弟達は学校へ行くことすら許されない。
そんな生活が数日続いたころ、遂に彼女の家へ警察が来た。
「横浜市警・異能対策局の者です」
そう名乗った人達は、両親と妹弟達、そして彼女を拘束しようとした。虐殺される対象である異能力者は、拘束された後、どうなってしまうのかそれを分かっていてか両親は抵抗した。
しかし、その抵抗も虚しく彼女の目の前で父も母も、そして妹弟達は殺されてしまう。
発砲音と共に、家族の血飛沫が舞った。
立ち尽くす彼女に銃口が向けられる。
今この状況で自分はどうするべきなのか、それを考えようとしたが所詮はまだ11歳の子供。打開策を見出せる訳もなく、目の前には大切な家族が大量の血を流し倒れているという無残な光景だけが広がっていて、そこには絶望しかなかった。
ここで異能力でも使えたら未来は変わっていたのかもしれない。けれど、当時の彼女は自分の異能力を上手く扱えないでいたのだ。
何も言わない、異能力を使うこともしない彼女に向けられていた拳銃の引き金が引かれようとしたその刹那、風が吹いた。

ぶわっと体が浮いてしまうほどに強い風が。

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砂和(プロフ) - fiaさん» こんばんは、お声かけありがとうございます!是非とも関係を組ませて頂きたいです。fia様のボードにお邪魔させて頂きますね…! (2021年11月17日 19時) (レス) id: 3c22397930 (このIDを非表示/違反報告)
fia(プロフ) - コメント失礼致します。同企画に参加しております『貴船修』の親のfiaと申します。宜しければ、ひばりさんと関係を組ませて頂きたく参上致しました。ご検討のほどよろしくお願い致します。 (2021年11月17日 18時) (レス) @page9 id: 5a762d2ed0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:砂和 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月12日 23時

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