愛の運命。 (ページ33)

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Destiny 33 ページ33

廉「好きなん？」

『へっ……！？』

あまりにも突拍子な質問に
私は思わず気の抜けた声を出してしまう。

廉「いやだから、
勝利のこと好きなんかって聞いてんの！」

『んなっ！わけないでしょ！
むしろ嫌いだからあんな奴～！』

ムキになって威嚇する素振りを見せると
廉は呆れたように笑った。

廉「心配して損したわ、」

「お前が恋なんかするわけないよな」
と余計な一言。

でも、そんな風に言われたら期待しちゃうよ。

ちょっとは私のこと気にしてくれてるのかな、
なんて思っちゃうんだよ。

こんなに近くにいるのに
私には廉の気持ちがこれっぽっちも分かんない。

『うるさいっ！』

またしても女子を捨ててムキになってしまい
廉が呆れた顔で笑う。

恋じゃない。
でも友達より特別な関係。

今はまだこのままでいいかな、って
廉の隣で笑いながら思う。

廉「先帰るで」

『えー待ってよ！』

廉「お前、荷物」

『あ、教室…… 』

廉「もー早よ行くで！」

さりげなく繋がれた廉の手は
気のせいかいつもより少し熱くて。

ギュッと握り返して廉の後ろをついていく。

こんな何気ない一瞬がいっぱい重なって
廉との思い出が増えていく。

私の想いとともに積み重ねられる思い出は
2人の運命を少しずつ色付けていく。