Destiny 18 ページ18
飲み物を買ってすぐに保健室に戻ると、
先生が戻っていた。
藤「 おー 中島ちゃんどしたん? 」
『 廉に飲み物…… 』
言いながらさっきまで廉がいたはずのベッドが
空いているのに気がつく。
誰も、いない。
藤「 廉? 」
『 廉どこ行った!? 』
藤「 え?なになに?
俺来た時は誰もおらんかったけど? 」
先生は私の勢いに圧倒されて
目をまん丸くしていた。
私はそんな先生の呼ぶ声も無視して
走ってグラウンドに戻った。
・
グラウンドに出るとすぐに
フラフラと歩く廉を見つけた。
『 廉! 待っててって言ったじゃん! 』
廉「 次、リレーやし 」
『 そんな体で走れるわけないでしょ 』
廉「 もう大丈夫 」
『 どこがよ 』
「 心配すんな 」なんて言いながら
体を支えきれずによろける廉。
『 病人は寝てろっつの! 』
廉「 病人ちゃうし 」
『 何でそんな意地張んの? 』
廉「 別に 」
こんな時ですら言い合いになる。
『 あーもう知らない!勝手にすれば! 』
違う。こんなこと言いたくないのに。
素直になれなくなったのはいつからだろう。
私は廉を置いてその場から逃げた。
なぜか涙が止まらなくて
誰にも見られないように走る速度を上げる。
でも、すぐ後ろから追いかけてきた廉に
簡単に腕を掴まれて。
振り向けなくて、
素っ気なく『 なに 』と返す。
廉「 泣くなや 」
廉は私のこと何でも気づいてくれて
いつも優しくするんだ。
ほら、そうやってまた私を優しく包み込む。
廉の体が熱いからか
いつもより余計に体が火照った。
『 泣いて 、ないし… 』
廉「 何でそんな意地張るん? 」
『 別に 』
廉の笑い声につられて私も笑う。
どちらからともなく目を合わせて
また気まずくなって逸らす。
廉は「 行ってくる 」とだけ呟いて
召集場所に行ってしまった。
『 ほんとに、バカ 』
私は遠ざかる廉の背中に小さく呟いた。
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mii(みぃ)(プロフ) - えみさん» ありがとうございます!!!頑張ります!! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 98fec86812 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - とっても面白くてキュンキュンします!更新楽しみにしてます! (2018年2月9日 19時) (レス) id: 532396861e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mii(みぃ) x他1人 | 作成日時:2018年2月6日 16時