薬研の話 ページ34
「君達も食べるんだ……」
骨喰「弟たちが作ったからな」
鯰尾「食べ物に罪はないし」
僕一人で作ったら食べないんだろーな。
さっきまでめっちゃ真顔だったのに……笑ってるならいっか。
「二人も食べなよ」
ク「じゃあ、遠慮なく」
小狐丸「いただきます」
「では、粟田口の皆さんは何があったか話してくれますか」
「「「「「「………………………………」」」」」」
話したがらないか。そりゃ当然だよね………
薬研「俺っちが話すよ」
「!! よろしいのですか?」
薬研「ここまでしてもらってたら、もう警戒する必要もないと思ってな」
薬研って結構兄貴肌だから、かなり僕らのことを警戒してたんだけどな。ま、信じてくれたなら、それはそれでいいか。
薬研「じゃあ話すぜ」
薬研side
俺たちの今までの大将はひどい奴らばかりだった。
重傷になっても手入れなんてされなかったし、そのせいで折れる寸前になるやつも増えてきた。
戦で使えなくなった奴は夜伽されたりもしていた。
多くはレア度の高い連中だったが、太刀が多かったな。
殴られたり、飯を抜かれていたのはほとんどが短刀だった。
何回も審神者が変わったが、結局は何も変わらなかった。
ずっとずっとずっとずっと、俺らは人としても、刀としても酷い扱いを受けてきたんだ。
でも、初めてあんたに会ったときすごく心地よく感じたんだ。感じたことのない暖かさで、何処か懐かしく思った。
もちろん、そんなことで絆される俺じゃない。
警戒していたさ。
それでも、台所でお前は俺らに優しく接していただろう?
それを見て、俺はお前を信用することにした。
安すぎる信頼かもしれないが。
なあ
大将
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作者名:和菓子好きな人 | 作成日時:2022年7月6日 22時