夢を抱きしめて-R.F-

story12 ページ12

Aに手を引っ張られ




人通りの少ない場所へ。









藤「…入院してるん？」









何を聞けばいいのか分からなくて




単刀直入に聞いた。









「うん。」









藤「症状…軽いやんな？」









最後の方は、そうであってほしいという



俺の願いやった。









そんな願いもむなしく…









「ううん。……結構、タチ悪いやつでさ。






手術するけど、成功率半分以下やねん。」









俺は…この世に神なんかいないことを悟った。









藤「いつ…手術するん？」









「来月の___日。」





その日は、日本一を決める日やった。









藤「うそ、やん。」









俺はその場に座りこんだ。









「ちょ…！どうしたん？」









藤「その日…日本一決まる日やねん。」









Aは、全て察したようやった。









「そうなんや！りゅうなら絶対勝てるで！」









……言うと思った。Aは人に自分の弱みをみせへん。






付き合っていた頃の俺は、そんな優しさに甘えてばっかりやった。









「私は大丈夫やで！絶対生きるから！



だからりゅうは…







安心して日本一掴み取ってき？」









俺はまた、その優しさに甘えるんか？









その顔が強がりってことは









分かってるのに………。

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