野獣荒北、人魚の海に溺れる-2-【弱虫ペダル/荒北靖友】

水深58m ページ10

「なんでテメーが付いてきてんだヨ？！

東堂ォ！」



東堂「夏祭りだぞ！

ここは箱学一美形のこのオレが…」



「ァア？！ンなこたァ聞いてねーヨ！」



東堂「それに明日はお前レースだろ。

屋台であれこれ食べて体調を崩さないよう

オレが付きっきりで管理してやる！」



「テメーはオレの保護者か？！」



新開「まぁまぁ！

せっかくの夏祭りだ。

大人数の方が楽しいだろ。

な？靖友！」



「たっく…。

わぁったよ。」



約束の校門前に行くと

ピンクの浴衣を着たアンチャンの隣に

ブルーのジャージを着たAを見つけた。



東堂「おぉ！夏祭りといえば女子の浴衣だな！」



アン「新開！お疲れ様！」



いや、オレらみんなお疲れ様だけどォ？！



新開「ありがとう！

お！アンちゃん浴衣か！

凄く似合ってるよ！」



アンチャンが恥ずかしそうに下を向いて微笑む。



A「ね、なんで東堂いんの？」



「ンー？しゃーねーだろ。

付いてくるって聞かねェから。」



A「ふーん。別に良いけど。」



東堂「Aはまだ準備が整っていないのか？」



東堂はアンチャンとAの服装を見比べて言った。



「これがコイツの通常運転だから。

気にすんな。」



まぁ…オレも多少の期待はしてたけどォ。

見事に予想通りの格好だ。



アン「じゃあ…行こっか！」



学校から歩いて15分。



港の近くの大きな公園と隣の神社で行われる

割りと大規模な夏祭り。

水深59m→←水深57m

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す