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「ハリー？あなたはその…ベンが嫌いなの？」
ハ「あぁ、嫌いだね！俺たちを除け者にしてここに閉じ込め、毎日笑いながらのうのうとオラドンで生活。挙句に王様？ふざけるな！」
近くのものを力強く蹴飛ばしたハリーにびくつく。でもここで怯えて何も言わないのは良くない。
「マルたちはベンの最初の仕事だったの。4人がうまくオラドンで生活出来ている今、他の子も迎える計画をしてるわ。本当よ。」
ハ「そんなのはどうだっていい！ウーマは、ずっと苦しんでた。」
苦虫を噛み潰したような顔をするハリー。もしかして…
「ウーマ…？って子が好きなの？」
ハ「そんなんじゃねぇ！…でもウーマは俺を…俺やギルを除け者になんかしなかった。俺たちの気持ちをわかってくれた。」
だから俺はウーマに一生ついてくって決めたんだ。そう呟くハリーは根っからのワルとは思えなくて。
「…ねぇ、あなた本当は優しい人でしょう？」
ハ「優しい？俺が？お花畑の脳みそにもほどがあるぜ。」
「優しいから捕まえても酷いことはしなかった。ただ、悔しさを私たちオラドンに住む人たちにもわかって欲しかっただけなのよね？」
黙り込むハリーにゆっくりと近づく。落ち込むとママがよくこうやって話してくれたっけ。
そっと彼の頬を包む。
ハ「っ！やめろ触るな。」
「目を見てハリー。あなたは変われるわ。」
もう一度頬に触れると今度はじっとこちらを見るハリー。
「ふかふかのベッドに寝かせてくれたのも、冷たいタオルも、飲み物も、捕まえたのに自由に動き回れるのも全部あなたの優しさよ。まだ間に合うわ。」
こんなことはやめて、もう一度私たちを信じて。必ず迎えに来るわ。そう伝えれば少し考えたあと何かを言おうとするハリー。
ギ「おい！ハリー！ウーマが勝ったぞ！集合だ！」
バンッ！と大きな音を立てて入ってきたのは島に来てすぐにあった人。ハリーは私をトンッと押して離れる。
ハ「俺は、変わらない。」
来いと私の腕を引っ張った彼の手は少しだけ震えていた。
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作者名：ちくわ | 作成日時：2022年5月26日 15時
