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3人は細かく「ワル」になる方法を教えてくれるけどベンも私もついていけない。
「あ、ちょっとそれベンの財布じゃない!盗っちゃだめ。」
ジ「ごめんごめん。隙もつくるなよ王様?」
さすがと言って良いのか盗みのプロ。いつの間に盗ったのだろうか。
イ「いい?体で覚えるのよ。プリンス、プリンセスのルールは破るの。」
それでもロスト島が珍しくてキョロキョロしてしまう私たちの手をイヴィとジェイが引く。
ジ「そんな隙を見せてちゃスノーみたいな子はすぐ攫われちまうって。こうするんだ。」
怖い顔をするジェイにこう?と見せれば野良猫の方が怖いくらいだ。と肩をすくめて返される。どうしたらいいのか。
ベ「これでもワルを目指してる。でも難しいよ。」
カ「やらなきゃ捕まるぞ。」
イ「身を潜めるのよ。やってみて。」
そう言うイヴィにベンはこう?と彼女のサングラスやカルロスのスマホを見せる。私は…
「そうね、きっとこんな感じかしら?」
ジ「スノー!いつのまに…やられたよ。」
盗った小さい袋を見せれば困ったように笑うジェイ。なんとなく…
「コツは掴んだ気がする。」
ベ「あぁ。でもお礼は言わない。」
「「ワルだから」」
そう声を合わせて言えば笑う3人。うまくやっていけそう。
ギ「おい!気をつけろ」
ベンにぶつかった体格のいい男の人がそう告げる。
ギ「どこかで会った?」
ベ「いや、知らないね。」
ギ「俺のことは知ってるだろ?…マジで?ヒントをやる?親父は最高の男。頭が切れるし首が…すげぇ太い。」
ヒントを聞いてもわからない。どうしようと思った時男の人が壁を見たあとベンをみてまた壁を見て…何をそんなに…
「あ、ちょっと…」
壁にはベンとマルのイラストが書かれた舞踏会のポスター。マルの顔には大きなバツがついている。悲しい。
ギ「ベン王だ!」
ベ「人違いだ。」
ギ「ベン王にジェイ、カルロス、イヴィも…あの可愛い子誰だ?」
気づかれた事に焦った私たちは逃げるようにその場を後にする。よかった、追われてはいないみたい。
ジ「ここだ。」
しばらく歩いてマルの家に着く。石を当ててドアを開けるなんてその…ヴィランズっぽい。
ベ「…祈ってて。」
ジ「1番上だ。」
「大丈夫よ。」
自信のなさそうなベンの背中は階段を登っていった。
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作者名:ちくわ | 作成日時:2022年5月26日 15時