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「マルー?…おかしいわ。ベンはもうピクニックから戻って公務室に行ったはずなのに。」
イ「マル?開けるわね。」
イヴィは鍵をガチャリと回しドアを開ける。マルの姿がない。
「マルどこか行っちゃったのかな?最近疲れてそうだったし部屋でゆっくりしてると思ったんだけど…」
イ「大変…すぐベンに知らせなくちゃ!」
イヴィがマルの机の上で見つけたメモには「島に帰る」の文字。それとベンが渡した指輪。一体どうしちゃったの?
イ「ジェイとカルロスを探してくる。スノーはベンに知らせてくれる?」
「わかった任せて。」
公務室の前でノックをすればどうぞと聞こえるのでドアを開ける。
ベ「スノー!入って。」
静かにドアを閉め深呼吸してからベンの方を向く。
「…マルが島に戻った。」
そう伝えた瞬間ベンの顔から笑顔が消える。部屋に置いてあったメモと指輪を渡せば食い入るようにメモを見るベン。
ベ「"ごめんなさい…私は"……僕のせいだ。何もかも台なしにした。苦しんでた彼女をさらに追い詰めた。」
机に項垂れるがすぐに顔を上げる。
ベ「謝りに行かなくちゃ。彼女を連れ戻す。」
「えぇ。でも島を知らないと難しいわ。」
私たちはオラドンで過ごしてきた身。島のことなんて何も知らない。どうしようか迷っていた時だった。
イ「私も一緒に行く。」
「?!イヴィ…」
部屋に入ってきたイヴィはベンと私を力強く見つめていた。でも島に戻ることになるなんて…。
ベ「本当にいいの?」
イ「えぇ。マルは親友だもん。ジェイとカルロスも一緒よ。大勢の方が心強い。」
「そうね。私も行く。」
「「それはダメよ(ダメだ)」」
2人は大きな声で私に心配だと言う。でも黙ってられるわけない。
「マルがつらい思いをしてるってなんとなく気づいてた。何もしなかった自分が許せないの。」
イ「スノー…わかったわ。ありがとう。」
ベ「イヴィ!」
「ベン、お願い。私はマルもあなたも大切な友達よ。早く仲直りして欲しいの。」
目を見てそう伝えれば仕方ないと言った表情をした彼。そのあとわかった。絶対に1人になるなよ。と言われる。どちらかと言えば王様のあなたの身の方が心配なんだけど…。
イ「ベン。でも約束して、2度と島に閉じ込めないで。」
ベ「約束する。」
イ「…2人ともその格好じゃダメね。」
着いてきてと言うイヴィに私もベンもはてなを浮かべながら部屋を出たイヴィを追った。
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作者名:ちくわ | 作成日時:2022年5月26日 15時