D11 ページ12
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ウ「海の力よ。島の民を解き放て!」
ジェイの言葉に驚きウーマたちを見れば呪文を唱えた声がこだまする。…何も起きない。
ウ「クソ!今度こそ許さないよ!」
ジ「やばい。急いで!」
ジェイに手を引かれ一生懸命走る。しかしそこら中に敵はいる。
ロ「ジェイ!剣を!」
「ロニー…あなたも来てくれたのね!」
ロ「えぇ、もちろん!」
さぁ、なんとかして逃げないと!とロニーも剣を握る。傍らではカルロスが目眩しに色付きの煙玉を打っていた。
ジ「スノー!俺の後ろにいろ。離れるな。」
グッと手を引かれ後ろに立たされる。でもこんなに敵がいる中どうやって…
ハ「これはこれはジェイじゃないか。そいつは俺のもんだって言ったろ?ヴィランズのくせに騎士(ナイト)気取りか?」
「ハリー!お願いやめて。」
ジ「スノー、下がって。」
睨み合い、剣を振り合う2人。どちらにも怪我をしてほしくないのに。
ハリーが一瞬優勢に立ったがジェイの身体能力で巻き返す。
ハリーの剣が溝にハマったのを見逃さなかったジェイはそのまま一気にたたみかける。
鉤を奪ったジェイはニヤニヤと笑いハリーを見やり海の方へ向かう。
「ジェイそれは…!」
私の声は届かずそのまま鉤は海の中へ。ハリーは海へ飛び込んでいった。
「ハリー!」
ジ「急げ!今のうちに行くぞ!」
ハリーを心配した私の腕を掴み走る。
カ「ジェイ!車を頼む。」
イ「スノーは任せて。」
ロニーを連れて先に車へ向かうジェイ。追手はそこまで来ている。
マ「ベン!急いで!」
ウ「マルは逃がさない!」
怖い顔をして追ってくるウーマ。どうにかしてまけないかな。
「カルロス!煙玉まだある?」
カ「あぁ!これだ!」
投げられた煙玉を受け取りウーマたちと間合いが取れたタイミングで床に叩きつければ勢いよく紫の煙が上がる。
マ「ベン行って!」
イ「スノー、ベンこっちよ!急いで!」
みんなの後を追い岬から離れる。マルは掛かっていた橋を蹴落とした。そして彼女は初めて会った時の「ヴィランズ」の笑顔を見せていた。
ベ「マル!スノー!」
奥から聞こえた声にマルは進んでいく。ウーマは怒って行ってしまった。
「ハリー…」
ハ「……。」
声をかけても目を合わせずに踵を返して歩いて行ってしまったハリー。絶対に分かり合えると思ったのに。
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作者名:ちくわ | 作成日時:2022年5月26日 15時