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「ジェーン？この装飾品なんだけど…」
ジェ「えぇっと…ここはビーストのブルー…いや、ベルのイエローにしましょう。」
今日も今日とて舞踏会の準備で大忙し。ベンとマルが付き合って「ヤケクソになった」オードリーは今年は不参加を決めたらしい。
ジェ「スノー本当ごめんなさい。私がやらなくちゃいけないのに…」
「謝らないで！ジェーンだって舞踏会には参加するでしょう？」
ジェ「えぇ、給仕係としてね。」
まさか！という顔をしてジェーンを見ればいつものことでしょう？なんて顔をする。だってカルロスは？もしかして…
「まだ誘ってないのね…」
頭を抱えれば心配してくれる彼女に何でもない大丈夫と返す。
ジェ「スノーは、もちろんジェイと行くのよね？もう誘ったの？」
「えっ？！」
ジェ「好きなんでしょう？」
「ジェイ」…そう、私の好きな人。この前の戴冠式から半年近く経っているけれどあれから何も変わっていない。
「彼は…ジェイは1人で行くみたい。みんなそう言ってた。」
ジェ「そんな…」
ジェイを誘う女の子はたくさんいる。トーニーの活躍もさながらとにかくなんていうか…紳士だ。
ジェーンに暗い顔をさせてしまったのは申し訳ない。あ、マルだわ！
「ジェーン！マルがいるわ！」
ジェ「うそ！マルー！」
舞踏会まで時間はない。悲しんでる暇だってないのだ。
ジェ「マル！」
カ「やぁ、ジェーン」
カルロスに声をかけられてにこやかに話すジェーン。恋人が欲しいと嘆いてる割には近くの王子様に気づかないんだから…。
ジ「やぁ、スノー」
「ハーイ…」
ジェイに声をかけられてドキリと跳ねる心臓。
ジ「スノーは舞踏会のドレスもう決まったのか？」
「えぇ、イヴィにお願いしたの。」
ジ「スノーはなんだって似合うんだろうな！楽しみにしてる。」
「ありがとう。…その…えっと…」
"私と舞踏会に行ってほしい"その一言が中々言い出せない。
カ「にんじんケーキ昨日食べた？」
「にんじんケーキ？」
ジェ「昨日はかぼちゃのパイだったわ」
横から聞こえてきた会話が気になって思わず聞き返してしまう。カルロス、舞踏会は？
ジ「やるな」
ジェイは少し呆れてカルロスの肩を抱く。
ジ「じゃあなスノー」
「え、えぇ…」
結局言えなかった。たった一言なのに断られたらって思ったらどうしても言えなくなってしまう。
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作者名：ちくわ | 作成日時：2022年5月26日 15時
