ディセンダント/ジェイ

D21 ページ22

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マルは周囲に目を向ける。皆が困惑した表情で彼女を見つめていた。


マ「いい人になりたい」


ベ「いい人だ」


マ「なんでわかるの？」


ベ「だって僕の心が言ってる。」



考えることはとても大事。だけど心の声に従うことはもっと大事。お願い、マル…。


マ「私の心はこう言ってる。"私たちと親は違う"って。盗みじゃ幸せになれない。みんなで試合に勝つ方がいい。デュードを撫でると幸せでしょ？イヴィは男の子の前でバカなフリしないで。賢いんだから。」


涙を流しながらそう言葉にするマルはまるで美しい…


「プリンセス…」


マ「スノー…昨日はごめんなさい。あなたの気持ち凄く嬉しかった。ベンと同じように最初から私たちを受け入れて信じてくれた。」


私の方に振り返ってそう言ったマルに私の心にしたがっただけだよと笑顔を見せる。


マ「悪が支配する世界なんて私は望まない。学校に通いたい。ベンと一緒に。ベンといると幸せなの。」


目を真っ赤にしてベンに伝えるマルは「普通の」女の子だった。


マ「みんなと友達でいれて幸せ。暴れるのはイヤ。私はいい人になる。」


ジ「俺もそうする」


イ「いい人になる」


カ「1つ確認なんだけど親に怒られるのは覚悟の上だよね？」



カルロスがそう呟けばクスクスと笑うみんな。なんだか…高校生の友達って感じ！



カ「すげぇ怒られるよ？」


「ここは安全よ。」


ベ「あぁ、そうさ。」


カ「だったら…俺も」



こうして4人の拳は全て集まった。マルが来てとベンと私を見て言う。ゆっくりと歩み寄って合わせた拳はじんわりと温かくなった。



その時だった。

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