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「あとは焼くだけ…と。」
ジ「スノー凄いな。初めてって言ってたのに。」
「ママのレシピがわかりやすかっただけだよ。…さぁ、焼いてる時間に少し片付けようかな!」
私が片付け始めるとジェイがこれは?と片付けを手伝ってくれる。やっぱりここにきてみんな少しずつ「普通」に慣れてきてる気がする。
片付けもだいぶ進んだ頃、ジェイが口を開いた。
ジ「なぁ、なんでスノー…やベンは俺たちに良くしてくれるんだ?」
「ふふっ。前イヴィにも同じこと言われた。」
ジ「そう?…それで?」
「困ってる人に手を差し伸べることができたら、そんな人になれたらって思うって答えた。」
ジ「スノーらしいな。…でもそれは無理だと思う。」
「え…っ!」
失礼だなと思って顔を上げれば思ったよりも近い顔に驚く。
ジ「もうなってるから。初めてここに俺らが来た時、イヴィのこと助けたろ?ルールについてよくわからなかった俺のことも助けた。」
「そんなの…」
ジ「助けたって言わない?少なくとも俺たちはスノーに手を差し伸べてもらったよ。」
そう言ってジェイはまとめた髪から出てしまっていた私の髪を掬い耳にかけた。
「………。」
無言で見つめ合ってしまう私たち。距離も近い。この心臓の音が聞こえてしまったらどうしよう…。
〜♪
「わっ!」
ジ「おっ焼けたか?」
タイミングが良いのか悪いのかオーブンの音が静かになった調理室に響き渡る。思わず飛びのいた私に気づかずジェイはオーブンの方に行く。
私ばっかりドキドキしてる。ジェイは女の子に慣れてるんだなぁ。
ジ「なぁ!もう食べていいか?」
「あ、待って!少し冷ました方が…」
早く早く!と急かすジェイ。さっきまでの急に大人びたような顔はどこへやら。小さな子供みたい。
「はい、これジェイに。」
ジ「ありがとな!あ、もう夕飯の時間終わっちまう!」
行くぞ!と私が渡したクッキーの包みをしまいながら出て行くジェイ。
今みたいに2人で過ごせる時間がこの先もずっと続けばいいのに…。
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ちくわ(プロフ) - 星羅さん» コメントありがとうございます!2ですが近日公開予定です。今暫くお待ちください! (2022年5月26日 15時) (レス) id: 51fb906a7a (このIDを非表示/違反報告)
星羅 - 早く2が見たいです‼️ (2022年5月22日 8時) (レス) @page26 id: 52a22f2390 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - トッケビの嫁さん» コメントありがとうございます!4制作決定の噂を聞いて2を作らねばと見返していますがややこしい展開しか思いつかず現在模索中です。今暫くお待ちください(涙) (2022年5月16日 10時) (レス) id: 51fb906a7a (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - ティラミスさん» コメントありがとうございます!4制作決定のお話を見て2急いで作らねばと思い再度見返していますが2は更に2人の仲が難しくなってしまいそうな展開しか思いつかず現在模索中です。もう暫くお待ちください(涙) (2022年5月16日 10時) (レス) id: 51fb906a7a (このIDを非表示/違反報告)
トッケビの嫁(プロフ) - 続きを是非!! (2022年2月22日 9時) (レス) @page26 id: 995da72876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくわ | 作成日時:2021年9月20日 0時