ディセンダント/ジェイ

D10 ページ11

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ロ「ほら、落ち込んでる時とか。焼き立てのクッキーに一杯のミルク。笑わせて、励ましてくれて…」


ロニーの言葉に暗くなるみんなの顔。


ロ「…その目はなに？」


マ「育った環境が違う。」


「そうだけどヴィランズも自分の子は愛しているでしょう？」


私の言葉にロニーも頷くけれどみんなの顔は暗いまま。ママとパパに愛されてるって実感がないのはとてもつらいし、苦しい。


ロ「…かわいそう。」


そう言ってマルの手を握るロニーの目からは涙が出ていた。感受性の高いロニーはみんなのことを思って泣いたのだと思う。


マ「本当にね！でもクッキーを焼かなきゃ。」


さっきまでの重い空気はどこにいったのか、ロニーの涙を拭ったマルはサッと明るい表情に変わる。


来てくれてありがとう〜！また明日ね〜！なんて言いながら私たちをドアの方へ押しやる。


押されるままドアの前まで行き別れを告げてロニーと廊下に出る。


「…私たち何しに来たんだっけ？」


ロ「…なんだったかな？」


マルたちに圧倒された私たちは用事のことをすっかり忘れて部屋に戻ってきてしまった。


ロニーにおやすみを告げて部屋に戻ればハッと思い出す。


「みんなの髪のことだ…」


ごめんねみんなと思いながらも、もうすぐ就寝時間だったのでベッドに入る。


思い出すのはマルたちの悲しそうな表情。



「ママに聞いてみようかな…」


クッキーの作り方教えて！って朝1番に電話しなくちゃ！材料は…とそんなことを考えているうちに私はいつの間にか夢の中へ旅立っていたのだった。

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