【母親】と父親その3。 ページ7
「ただいまー!」
「もう、パパったら暴れないでよ!」
おうおう、無理矢理連れてきたな?
ほんの少し見えたが、肌色が少々悪く、白い指ぬきグローブをしていた。
それには見覚えがある。
「私達のパパはね!」
「ジャジャーン!」
『よぉ、生きてるか?』
「急に連行されたんだが……Aは知ってるか?」
三人目の父親は、ヤニカ……Garcelloだった。
『ま、何かの拍子に違う世界線の私達の子供が来てあら大変ってこと。因みに別の世界の私は随分とまぁ、誰かを好きになるみたいでね。父親は三人だ。』
「浮気か……?」
『断じて違う。勘違いしないでくれ。』
まさか……とでも言いたげなGarcello。
本当に違うから。その視線で私を見ないでくれ。
「パパったらさー、どこの世界でもママにいっつも叱られてんだ!」
「叱られてもタバコやめないからね。それはどこの世界も一緒。」
は?タバコをやめてない?
『我が子よ、情報の提供に感謝する。……さて、どういうことだ?』
「え、えーと……な?」
あーあ。チクられてやんの。
『な?じゃなくて。はぁ、一回痛い思いしたんにまだやめてないわけ?』
「……すまない。」
『……依存すんのは構わないよ。でもさ、それで倒れて心配するやつが居るのが分からないのか?』
未だに目に焼き付いている。
彼氏さんの焦燥の、彼女さんの恐怖の顔が。
私がアレを思い出したのも。
全く、人を心配させやがって。
『よくみたら顔色わりぃし。若いんだから生き急ぐな。次死んだら復活させてやんないからな。祝福は疲れんだよ。』
「ああ、肝に銘じる。」
『ま、この子達が居るってことはキミが生きてたってことだ。よかったな。』
祝福を使えば使うほど代償がかかる。
ちょっとした位だったら疲れるだけで済むが、天地をひっくり返すようなことを望むなら当然、対価もそれに応じて大きくなる。
死者蘇生は最悪、喉がもってかれる可能性があるからじゃんじゃん使えない。
前は運良くめちゃくちゃ眠くなっただけで済んだが。
「この世界でもママに叱られてるー。」
「パパがあのまま死んじゃった世界を思い出した。」
うわ、何その地獄みたいな世界。
その世界の私はきっと、まだ幼いんだろうな。
でも今の私は?
私は誰より強欲だから、目の前のものを一つでも失うことを許さない。
それが物であろうと者であろうと。
それが私に出来る贖罪だから。
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おげげいげ(プロフ) - 無名さん» 待たせてしまい、申し訳ありませんでした! (2021年10月11日 15時) (レス) id: 2c07cc7f92 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 復活おめでとうございます!ワ-イ (2021年10月10日 17時) (レス) id: 776fdad7d6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - おう…気を付けてー! (2021年9月20日 0時) (レス) id: efcdee336a (このIDを非表示/違反報告)
たっくぅ - 楽しみだぜ ゲヘヘヘヘ (2021年9月17日 22時) (レス) id: b647fd1089 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - さあこっからどうなるのか…楽しみですねぇ…フフフ (2021年9月13日 18時) (レス) id: 39d77ce8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おげげいげ | 作成日時:2021年9月8日 20時