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【歌手の兄】の興味。 ページ42

夕暮れ時にスマホが鳴り響く。

こちとら弟が急に消息不明になって気が立っているんだ。全く誰なんだか。人によっては明日絞めるなんて物騒な思考に侵されながらも画面を見た。

親父からだった。


「……何だ親父。」

「Aldryx。……単刀直入に言う。Agotiが見つかった。」

「は!?今は?」

「5番通りの小さな株式会社に保護してもらってるそうだ。Nikusaさんにも伝えておいてくれ。」

「分かった。ありがとよ、親父。」


ピ、という電子音が肩の荷を全て下ろさせてくれる。

帰ったら何を言おうか。


















家へ帰れば、Agotiは大層興奮している様子だった。

なにやら早口で親父に何かを話している。

俺は行方不明の弟の急な帰宅より、何故かその話の内容がどうしても気になった。


「Agoti、おかえり。どうしたんだ?」

「お!兄貴!それがな、スゲー面白い奴がいたんだよ!Aっていうんだけどな……」


あいつのおかげで俺は脱出できたんだ。

あいつは歌がめちゃくちゃ上手くてな。

あいつ最高にクールなんだぜ!

そういえばもふもふだったなぁ……


「ん?もふもふ?」

「ハァ……Aさんは人狼なので……」


頭を抱える親父を他所に、当の本人は「そう!そうなんだよ!」とまた喋りだす。

ニヤニヤと薄ら笑んでいる姿はちょっと不気味に思える。


それにしても気分屋であまり人に固執しないAgotiがここまで気にいるなんてどんな人なんだろうか。

絶世の美人か?それともAgotiを凌駕するくらいラップが上手いのか?人狼が珍しかっただけか?

唯一の友人であったNikusaは容姿は良いものの、誰も恋愛的には見ない奴だからAgotiは付き合いやすかった。

それに対し、Aとやらは不確定要素が多い割には弟の心を掴んで離さない。


「Agoti。明日は午前中に仕事を終わらせますよ。巻きでお願いします。」

「了解。明日会えるんだろ?な?俺も着いてっていいか?」

「明日は記者の取材でもあるのか?」


Agotiはともかく、親父の用事なんてまた珍しい。


「ああ、明日の午後、Aさんに伺いたいことがありまして。」

「またAか?何だ、そいつの何がいいんだ?」


たった10分の間に耳が腐るほど聞いた名前。

決めつけるのは良くないが、逆に好かれすぎていて恐怖すら覚える。


「まっ!兄貴も会ってみりゃ分かるって!んじゃあ俺は疲れたから寝るわ。」


弟は無責任にも離席した。

……人狼のA。一体何者なのだろうか。

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おげげいげ(プロフ) - 無名さん» 待たせてしまい、申し訳ありませんでした! (2021年10月11日 15時) (レス) id: 2c07cc7f92 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 復活おめでとうございます!ワ-イ (2021年10月10日 17時) (レス) id: 776fdad7d6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - おう…気を付けてー! (2021年9月20日 0時) (レス) id: efcdee336a (このIDを非表示/違反報告)
たっくぅ - 楽しみだぜ ゲヘヘヘヘ (2021年9月17日 22時) (レス) id: b647fd1089 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - さあこっからどうなるのか…楽しみですねぇ…フフフ (2021年9月13日 18時) (レス) id: 39d77ce8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おげげいげ | 作成日時:2021年9月8日 20時

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