【コクロウサマ】と心配性。 ページ41
キイッ、っと甲高い音を立てて車が止まる。着いたのだろうか。
「到着しました。……確認ですが、明日の午後、ここで待ちあわせです。」
『はい、こんなところまでありがとうな。』
「いいんだいいんだ!だって俺達、友達だろ?」
友達……か。うん、友達、友達。
『友達……私なんかで良いのか?』
「むしろお前だからだよ!友達以外の女共は大体香水くせぇし、化粧ケバいし、語尾とか結構ウゼェし。」
私には〘ウザい女〙の真似をするAgotiの方が滑稽に見えて仕方ない。
『でも嫌がりはしないんだ。』
「そこらへんは割り切ってる。……でもここまで話せるのは親父、兄貴、Nikusa、お前位だよ。」
『そっか、じゃあ明日……かな?』
「明日な!」
バイバイと手を振って車の中に引っ込むAgoti。Solazarさんは一礼して運転席へと戻っていった。
雨は気づいたらあがっていて、濡れはしないがぬかるんだ獣道を辿る。
10分も歩けば懐かしくも感じる我が家が待っていた。
と、同時にいい香り。
今日はVictorが作ってくれたのか、ベーコンの匂いが外まで漏れ出していた。
『た、ただいま……』
「おかえり。何か言うことは?」
時計はもう9時をとうに回っていた。怒らしてしまったか?
『遅れてすまない……面倒事に絡まれてよ……』
「また!?運がいいんだか悪いんだか。」
『こっちとしちゃえらい迷惑だけど、今回は人命が絡んでいたから無視出来なかった。』
「……とりあえず晩ごはんにしちゃおうか。」
もう私が面倒事を解決して帰ってくるはもう恒例行事らしい。
Victorも聞き慣れすぎて何も反応しなくなってしまった。
「で?今回はどんな人を助けてきたの?」
『Agotiって奴。ちょっと生意気でガキっぽい野郎だった。そして友達になった。』
Victorの作ってくれたベーコンエッグを頬張ろうと大きく口を開けた瞬間に「Agoti!?Agotiって……あの!?」と、思いきり叫ばれたものだからかなりビックリした。
『そうそう。最近行方不明になってたらしくてさ、あのカップルと行動してたらドンピシャ。虚空に閉じ込められてた。』
「え、え……Agotiって今凄い人気の歌手なんだよ?そんな簡単に……」
『あの不運なカップルだ。おかしくはないだろ?』
そう言えば、「ああ……」と少し憐れむような目で見られた。
今日も我が家の食卓は暖かい。
いつまで、この幸せが続くんだろう。
願わくば、貴方は何も知らないでいて。
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おげげいげ(プロフ) - 無名さん» 待たせてしまい、申し訳ありませんでした! (2021年10月11日 15時) (レス) id: 2c07cc7f92 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 復活おめでとうございます!ワ-イ (2021年10月10日 17時) (レス) id: 776fdad7d6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - おう…気を付けてー! (2021年9月20日 0時) (レス) id: efcdee336a (このIDを非表示/違反報告)
たっくぅ - 楽しみだぜ ゲヘヘヘヘ (2021年9月17日 22時) (レス) id: b647fd1089 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - さあこっからどうなるのか…楽しみですねぇ…フフフ (2021年9月13日 18時) (レス) id: 39d77ce8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おげげいげ | 作成日時:2021年9月8日 20時