コクロウサマ、どうか。 (ページ18)

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【祝福の人狼】の同類。ページ18

『本当によくやった。もう大丈夫だ。後はゆっくり休め。悩んでるならRasazyちゃんが居るだろ？この子なら親身になって聞いてくれるはずだ。もし言いづらかったら私にでも構わない。都合のいいことに、毎晩来ようと思えば来れるようになったからね。』

「……迷惑だろ。」

『誰も迷惑だなんて思わないさ。迷惑ならとっくに距離を置いている。』

きっとSeleverも私と同じなのだろう。

責任を問われる立場に立たされて、誰にも言えぬまま押し潰される。

そのくせ周りの事ばっかり気にして、自分は後回し。

そして最後に爆発する。

落ち込む姿が昔の自分が重なって見えたから。

迷うなら案内しよう、その身を投げ出すなら私が貰おう。

……身を投げるときに、愛するものと落ちてゆく話が美談となっているが、結局生きている時が一番輝くものだ。

その明かりを絶やさぬよう、火だってくべる。

その火が消えるのなら、油を注ぐ。

それが私の仕事。

『キミがRasazyちゃんを支えるなら私はSeleverを支える。決して倒れないようにしっかりと支えよう。』

「……そうだな、深く考えたって何もないよな！」

「そうだよ！お兄ちゃんはお父さんなんだからね！お父さんがみっともないと子どもが可哀想だよ！」

私に続いてRasazyちゃんもエールを送る。

ようやっと、いつものSeleverに戻った。

下品でうるさくて、でも妹思いで責任感が誰より強いSeleverが。

『よし、その意気だ。さて、時間も時間だし夕飯にするか。』

「あら、夕飯作るの？なら私も手伝うわ。」

『Sarventeちゃんが構わないのなら是非とも！』

二人でキッチンへと下がる。

あそこは大丈夫だ。Seleverも元気を取り戻したし、任せよう。

『んー、何があるかな。』

「人参、じゃがいも、豚肉……そうね、カレーにしましょうか。」

冷蔵庫だけではなく野菜室や冷凍庫も見て、話し合った結果、カレーになった。

しっかりと買いだめしてあるのを見ると、生活の違いを感じてしまう。

私はほぼ、お供え物で貰った既製品ばかりで時たま自炊する。

でも最近は秋が近くなってきたから、自然と山にも実りが増えてきて、収穫できる作物が多くなった。
それにつれて、お供え物自体も穀物類が大半を占めるようになる。

そのため自炊も増える。

山の野菜等は別に農業とかやってる訳ではなく、あくまで自生しているのだ。

そう思うと、本当にこの山は土壌に恵まれているのだと痛感するのである。