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【コクロウサマ】と勝者。 ページ15

『論理や道徳に反するものでなければ、基本的には叶える。……さあ、どうする?』

「俺は……」

『はいはい?』

「いや、いい。俺の願いはSarvの願いが叶うことだ。だからSarvの願いを聞いてくれ。」


……何を言おうとしたかは模索しない。

しかし、代わりの願いはあまりに無欲で、人道的で、私は驚いてしまった。


実質、自分の手柄をSarventeに譲ったようなものだ。

普通なら自分の欲を満たすために、物的な豊かさを求めるのだろうが、彼はそれを大切な友へと託した。

これは、互いの確かな信頼や関係が成したものなのだろう。



私はSarventeへと向き直し、改めて問うた。


『それじゃあ、Sarventeは何がいい?』

「うーん……そうね、私とAちゃんは現段階では友達よね?」

『そうだな。』


まさかとは思うが、友達をやめたいとかではないだろうか。

願いという形で、交友関係を切られるのは精神的にくるものがある。

嫌な汗が背中を伝って気持ち悪い。


「友達をやめて……」

『……迷惑?』

「違うわ!……言い方が悪かったわね。友達じゃなくて、【親友】じゃ駄目かしら?」


親友……



また失うのか?


いや、彼女は強い。何より番犬がいるじゃないか。


彼女を信じて。









『私なんかでよけりゃ、親友になるよ。』

「なんか、じゃなくてAちゃんだからなりたいの!」

『ハハッ、すまねぇ。』





大丈夫、彼女は死なない。

私は目の前で見てきたじゃないか。


……誰も死なせない。









『おっ、もう四時か。帰るぞ。』

「お腹すいたー。」

「そういえば、夕飯はどうするんだ?」


出来るだけ、緩やかで木の根が少ない道を辿りつつ、人目につかない道とは言い難い道を歩く。

Victorは慣れてるからか、躓きも迷いもしなかったが、Garcelloはフラフラとあっちこっちへと行って不安だ。

はぐれたら見つけるのが大変だし、夕飯が遅れてしまう。


『Garcello、ちょっと来い。』

「な、何もして無いぞ……?」


ちょいちょいと手招きしてGarcelloを呼ぶ。

大体は怒っていたりしていたから、おっかなびっくりといった様子だった。


Garcelloの手を掴む。


『迷うと困るのはあんただ。餓死したくなきゃこの手を振り解くんじゃねぇぞ。』


Garcelloの手は、少し骨ばっていて冷たかった。

でも暖かった。

それが生きている証のように思えて、安心したなんて言わないでおこう。

これも私なりの意地というものだ。

【悪魔の父親】と愚痴。→←【コクロウサマ】の捕獲。



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おげげいげ(プロフ) - 無名さん» 待たせてしまい、申し訳ありませんでした! (2021年10月11日 15時) (レス) id: 2c07cc7f92 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 復活おめでとうございます!ワ-イ (2021年10月10日 17時) (レス) id: 776fdad7d6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - おう…気を付けてー! (2021年9月20日 0時) (レス) id: efcdee336a (このIDを非表示/違反報告)
たっくぅ - 楽しみだぜ ゲヘヘヘヘ (2021年9月17日 22時) (レス) id: b647fd1089 (このIDを非表示/違反報告)
ヘル - さあこっからどうなるのか…楽しみですねぇ…フフフ (2021年9月13日 18時) (レス) id: 39d77ce8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おげげいげ | 作成日時:2021年9月8日 20時

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