梵天で推し事、始めました。【三途春千夜】

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「うわキモッ」




灰谷竜胆サンの後ろからにゅっと造形のいい顔が覗く。




そこそこ酷い言葉を言ったのは蘭サンだった。



汗まみれで息を切らしている私とココが竜胆サンに抱きついている。

良く考えればそう言われてもしょうがない状態だった。




「ハー死ぬかと思った」




悪口を気にも留めてないココは、何事も無かったかのように奥へ行ってしまった。




「はやく離れろよ」



「え？」



竜胆サンは小さく舌打ちをしてガシガシと頭を搔いた。

そうだ、私竜胆サンに抱きついているんだった。



「す、すみませ〜」


「おい」



カチャ、と音と共に頭に何かを押し付けられる。
言うまでもなく銃である。



しかも声の主はこの状況を作った張本人のもの。



「このヤク中が」


「キマッてんな〜」



さらに顔を顰め、わたしの頭に当てられている銃を掴む竜胆サン。


後ろにいる蘭サンはピアスをいじりながら「オマエ何やらかしたの〜？」と笑っている。



「すべてはココのせいです！！」



精一杯大きな声を出して抗議する。



「うるせえ」


げんなりとした顔で私を見下ろす竜胆サン。いやごめんって



梵天入社初日からこの有様だ。家で引きこもって仕事する方がまだマシだったかもしれない




「なにしてんだ」




決して大きくはないが芯の通った声。首領だ。









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