260 ページ10
そろそろ帰ろうかってなった時、凪に手を掴まれて引き止められると、深澤くん達は「先出てんね」と二人きりにしてくれた。
「どうかした？」
もう一度椅子に座り直せば、窓から入り込んできた風が凪の伸びた髪を遊ばせる。
そのうち切らなきゃいけないね。
「大変なことない？」
「…あると言えばあるし、でもやってできないことは無いから大丈夫。私の心配も嬉しいけど、凪は自分の事を考えて」
おかしな展開ではあったけど、渡辺くんのおかげで凪もリハビリをやる気にはなってくれたみたいだし。
身体さえ動くようになれば、気持ちも戻ってくるかもしれない。兎に角今は歩けるようになる事が第一目標。
「A、俺のお願い聞いてくれる？」
「うん」
昔もこれからも凪のお願いを断ることはきっとない。
だから迷わず頷けば、クシャッと私の髪を撫でながら眉を下げて笑う。困り顔だ。
「できるだけ一人にならないで。心配だから」
「……うん、わかった」
「ありがとう。気をつけて帰れよ」
「うん。じゃあまた来るよ」
どうして一人にならないようにと言うのかは分からないけど、私の正体がバレないようにするには出来るだけメンバーと居た方が良いにきまってる。
もうすぐ映画の宣伝も終わるし、そしたら単独仕事はなくなるから凪を不安にさせるような事はきっとない。大丈夫大丈夫。
「お待たせしました」と病室の外に出ると、変装モードになってる二人と共に車に向かう。
帰りにまた深澤くんが寝てしまったもんで、朝からずっと起きてて行き帰りも運転してくれている渡辺くんの怒りは頂点に達したらしく、行きに寄った所とはまた別のサービスエリアに車を停めて「晩飯食うぞ」と車を降りて行った。
「深澤くんは？」と聞けば「起きない奴が悪い」と起こす気なく、美味しそうにラーメンを平らげて、その後また車を走らせてるうちに起きた深澤くんが「腹減った〜」と言えば、売店で買っていたパンの入った袋を軽く投げて渡していた。
「うまー、サンキューナベ」
「たまたまね、見つけたから」
ふふ、なんだかんだ優しい渡辺くんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4647人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - yuyuさん» コメントありがとうございます！ キュンキュンさせすぎてすみません😂(よし！) 少しでも癒しになっていたら書くかいもあります！！ (2022年7月26日 23時) (
レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやぱんさん» コメントありがとうございます😊 💛💜ですね！最初の方から女性として接してたので😌移行作業頑張ります！！！ (2022年7月26日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - sakiさん» コメントありがとうございます😊 この章のトリにしましたね💛距離感ですか！誰とどうなるか、これからも応援よろしくお願いします！ (2022年7月26日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - pontasasukeさん» コメントありがとうございます！ ええっ！初めて！？ そんな初めてもらえて、それを教えてもらえたのがまた嬉しいです😆ありがとうございます！体調崩しておりましたが、やる気いっぱいになりました！頑張ります！！ (2022年7月26日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます😊 さて誰を選びますかね😌 (2022年7月26日 22時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2022年6月17日 9時
