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ポカンと滝沢くんを見上げていれば「なに？」と聞かれたから、「優しくて怖い」と言えば大笑いされて皆の視線を集めた。
「ちょっ、見られてます！」と慌てて腕をポカポカ叩くと、「俺だって一応心配はするからね」だって。それは重々承知してる。滝沢くんは優しいですよ。
周りは強引に滝沢くんが私をこうさせていると思ってそうだけど、代理をしているのは私自身の意思の下で、本当に困っていたら手を差し伸べて下さるから。
「ナギ、遅」
「翔太、ごめん。電車で寝過ごした」
「あー、また無防備に寝てたか。 口こんなんして？」
パカンとだらしなく口を開けてみせる渡辺くんを、ぐぬぬっと睨む。そんな顔してないし。多分。
「あの滝沢くん」
「ん？ なに阿部」
ギャイギャイ騒ぎ合っていると、そこへ阿部くんがやって来て滝沢くんと何やら話し込んでいた。なんだろう？ 滝沢くんも真面目な表情をしているし、気になって聞き耳を立てるけど聞こえなくて、そうしてる私の服を掴んだ渡辺くんに引っ張られて連れてこられたのは太鼓の前。
「これやってみろ」
「………」
バチを渡され、それをただじっと見てる私の後頭部をトンと押される。
「初めてなのは知ってるけど、まさか照に教わってねえの？」
周りに聞こえないように私の隣に屈んでコソッと耳打ち。
「ああ、教わったけど……」
「けどなに？」
「色々と不安で、」
これが一番の悩みどころだ。
鍛えてる彼らだって腹筋太鼓の演目は辛いと皆が言うのに、私に出来るかって。
それを見透かすように渡辺くんは言う。
「不安なのは俺らも一緒。お前にこれが出来るか、そもそもそれ以前に考えなきゃダメなこともあんじゃん。だけどやるしかねえんだから、とりあえず今は目の前のコイツを叩け」
じっと渡辺くんを見上げると、「んだよ？」と唇を尖らせた彼に「なんか優しい」と言えば、かぁぁっと顔を火照らせて「バッ…、優しくねえし」と顔を隠して去っていく。
渡辺くん、ちょっと可愛いなぁ。ああやって直ぐに照れちゃうところとか。
さてと、きゅんとかしてる場合じゃない。渡辺くんに言われた通り、考えるよりまずはやるしかない。
ギュッとバチを握って、トン……っと軽く打ち込むだけでジーンと腕に痺れる感覚が伝わってきた。
これが太鼓なんだ………
「よーし、準備出来たし始めるぞー」
滝沢くんの声に皆の顔が引き締まった。
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ゆきんこ(プロフ) - yuyuさん» コメントありがとうございます！ キュンキュンさせすぎてすみません😂(よし！) 少しでも癒しになっていたら書くかいもあります！！ (2022年7月26日 23時) (
レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやぱんさん» コメントありがとうございます😊 💛💜ですね！最初の方から女性として接してたので😌移行作業頑張ります！！！ (2022年7月26日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - sakiさん» コメントありがとうございます😊 この章のトリにしましたね💛距離感ですか！誰とどうなるか、これからも応援よろしくお願いします！ (2022年7月26日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - pontasasukeさん» コメントありがとうございます！ ええっ！初めて！？ そんな初めてもらえて、それを教えてもらえたのがまた嬉しいです😆ありがとうございます！体調崩しておりましたが、やる気いっぱいになりました！頑張ります！！ (2022年7月26日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます😊 さて誰を選びますかね😌 (2022年7月26日 22時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2022年6月17日 9時
