10錠目:『高級車と蟠りing』 ページ9
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｢ん、そっち方面ね｣
Aは大体の場所を把握すると、素早く準備をし俺を助手席へ乗せて出発する。
…まさか真っ赤なアルファロメオを乗りこなす人になっていたとは。長くて綺麗な脚を持つ彼女には良く映えた。
｢……携帯の充電、無い｣
何度画面をタップしようが、電源ボタンを長押ししようが少しも携帯に反応はなかった。通知見るの、こわいな。
｢私のスマホと機種違うなあ｣
｢うん。折緒とも違ってたから、どっちにしろ取りに帰らなきゃいけなかった…にしてもA、凄い車乗ってるね｣
｢ふふ、この車、兄さんのお下がりだよ。流石に私の意思でこんな
｢Aに良く似合ってるよ｣
｢本当?なんか複雑だな...そうそう、水神矢は24歳でベンツのSクラスだよ? 背伸びしすぎだと思うの。...釣り合ってるのが腑に落ちないよ｣
みずかみや。唐突に人名を出されると思考が鈍間に頭を回転させている感覚がする。
｢そこ左で…、ここ｣
｢このマンションか〜、知ってる場所だったわ｣
仕事関係の知り合いが昔ここに住んでてさあ、と慣れた手付きで解放駐車場に車を停めた。
｢衣服類は4、5日分でいいかな。携帯の充電器と印鑑、あとは佐曽塚の独断でおっけ。辛いようなら私も付き添うけど、どうする?｣
｢……わかった、大丈夫。ひとりで、できる｣
｢そっか。...佐曽塚、何階に住んでる?｣
｢んっと…19階｣
｢了解、ゆっくりでいいからね｣
その優しさが、俺の心を少しずつ殺めていく。
ああ、抉られた傷口に優しさを与えられては、余計に悲しくなるばかりだ。
自宅の鍵を持ったことを確認し、シートベルトを外して車を降りる。
ふと振り向くと、Aが微笑みながら此方に手を振ってくれた。まるで俺が振り返ることを予知していたかのように。
俺はきちんと笑い返せているだろうか。
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｢もしもし? 私だけど。…うん、今日の夜、予定通りで。はぁい｣
佐曽塚に手を振ったのち、見計らっていたかのように、午前で勤務が終わったらしい彼から電話が来た。
｢今? うん、家の前だよ。……わかんない、なんとかなってはいるけど、言語障害が若干。うん、じゃあその辺も実際に今夜よろしく。ん、じゃあね｣
曖昧を極めた状況説明すらも、利口な彼は呑み込んだようだ。
｢……あはは、その話、今はナシね｣
ただ一つの問題を除いて。
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11錠目:『慌てず騒がず、適切対処』→←9錠目:『君を救うのに理由はいらない』
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星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月8日 11時) (
レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - ゆりりんさん» わ〜!! 勢いある挨拶ありがとうございます〜^^ ちまちま更新していきますので気長にお待ち頂けると幸いです (2021年2月2日 1時) (レス) id: f96d68692e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - まず最初に…好き!!（挨拶）続きが読みたくてたまらないです！ (2021年2月1日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 棘水さん» 了解です！また何かあったら声掛けますんで、これからも更新頑張って下さい！！ (2019年4月9日 15時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!! が、合作イベント....!!大変魅力的で参加したい気持ちは山々なのですが私生活の多忙や内容が合作内容が全く分からず他の皆様にご迷惑をかける可能性しかないので今回は辞退させて頂きたく思います....また機会がありましたら是非....!! (2019年4月8日 22時) (レス) id: c7cb6e701d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棘水 | 作成日時：2018年7月20日 13時
