2錠目:『痛いの痛いの飛んでかない』 ページ2
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｢え、遅延? 最悪……」
電光掲示板には｢人身事故による大幅遅れ｣の文字。ああ、この世界の命がまた一つ消えたのか。
なんて、冷静なことを考えていた。
｢ったく、困るよな〜、死ぬなら他所でやれっての｣
｢本当ですよ、他人に迷惑かけてまで死'にたいですかね｣
｢再開時刻未定｣と流れた掲示板をよそに、少し酒臭いサラリーマン二人がそんな会話をしていた。
そうか、人はどんなに死.にたくても、死んじゃいけない生き物なんだ、迷惑かけちゃいけないんだ。
『佐曽塚〜!! ナイスパス!!』
周りを見ても、もちろん誰も居ない。
｢え…何、幻聴?……そろそろやばいな｣
ボロボロになった自分を自身で嘲笑しながら、家で食べる筈だったサンドウィッチをホームで齧る。
ホームは人でいっぱいかと思った。
しかし皆諦めて、呑み屋へUターンするか、ビジネスホテル、或いはネットカフェに散っているらしく、人は疎らにしか居ない。
『いいぞ佐曽塚、今日は調子が良さそうだな!!』
懐かしい、青い髪が特徴な彼の声。
どんなに咀嚼を繰り返しても、サンドウィッチの味がしない。
それでも無理矢理押し込んで、少し噎せながらペットボトルをゴミ箱へ捨てる。
間も無く、××行き、快速電車が参ります。
お客様はご乗車になれませんので、黄色い線より下がってお待ちください。
｢黄色い線、快特電車」
あぁ、点字ブロックのことか。
当たり前に存在し続け、多くの人に踏まれ、薄汚れて擦り減った足元を見る。
『佐曽塚〜!!ラストシュート〜!!』
みんなのことを第一に考えてくれていた彼女の声がする。
いつの間にか俺は線より前に立っていた。もう、引き下がる気はない。
ホームの奥の奥から、眩しすぎるライトを閃光させながら猛スピードで電車が迫ってくる。
黒板に爪を立てた時より何倍も不快な警笛の音が俺を現実へと引き摺り込む。
そんなことよりも、少しでも早く目を閉じて休みたかった。
楽しかったなあ。またいつか、みんなに会えたら、なんて幼稚な妄想をした。
｢あはは。任せトゲ、ってな」
『死.ぬなら他所でやれ』
『他人に迷惑かけてまで死.にたいですかね』
名前も知らない彼らの声が反芻する。
｢バイバイ、世界」
警笛の音と、電車本体の気配を極めて間近に感じる。
きっとこれに衝突すれば、電光掲示板の向こう側の誰かと、同じ状態になれる____
｢ちょっと佐曽塚、何してンの!!」
_____ハズだった。
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3錠目:『自問自答→横隔膜』→←1錠目:『無糖ブラックにミルクを入れたい』
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星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月8日 11時) (
レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - ゆりりんさん» わ〜!! 勢いある挨拶ありがとうございます〜^^ ちまちま更新していきますので気長にお待ち頂けると幸いです (2021年2月2日 1時) (レス) id: f96d68692e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - まず最初に…好き!!（挨拶）続きが読みたくてたまらないです！ (2021年2月1日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 棘水さん» 了解です！また何かあったら声掛けますんで、これからも更新頑張って下さい！！ (2019年4月9日 15時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!! が、合作イベント....!!大変魅力的で参加したい気持ちは山々なのですが私生活の多忙や内容が合作内容が全く分からず他の皆様にご迷惑をかける可能性しかないので今回は辞退させて頂きたく思います....また機会がありましたら是非....!! (2019年4月8日 22時) (レス) id: c7cb6e701d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棘水 | 作成日時：2018年7月20日 13時
