17錠目:『お日さまアロマジュエル』 ページ16
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｢(というか“好きなんだね〜”って、直球過ぎンだろ...!! AもAで気にも留めてねぇしｯ...!!)｣
今の佐曽塚の精神状態から、悪意や疚しさがあっての発言ではないことが分かっていても、俺のメンタルでは到底言えないであろう言動に思わず添えられていたミントを齧った。
｢もう少し休んだら佐曽塚は荷物を纏めてね、あと......退職届に手をつけようと思う｣
｢それって、佐曽塚本人が出しに行くのか?｣
俺の言葉を聞いて、徐にAが起き上がった。
｢それなんだけどね、私さっき偉そうに『報復したい』なんて言ったけど.....撤回させてもらえる?｣
｢え、泣き寝入り.....か?｣
｢まさか!! 匿名の窓口にはメールするよ。.....けど、色々調べて考えたけど、退職届は代行がいいんじゃないかなって思うの｣
｢なんで、なんでA.....俺、退職届くらい、出せ、るよ.....?｣
ティラミスを食べる手を止め、佐曽塚は今にも泣きそうな表情で必死に訴える。
｢そうじゃなくて.....退職届は基本、直属の上司に提出するの。またそこで何か言われて傷付いてしまう貴方を、私は見たくないの｣
｢でも、引き継ぎ.....とか｣
｢元々、その上司達が行うべき仕事を佐曽塚に押し付けていたんでしょ? 自らの業務すら把握出来ていないのがそもそもおかしいんだよ?｣
｢次にそこに就く人が困るかもしれない、し.....｣
｢...逃げるは恥だが役に立つって言葉が流行ったでしょ? 確かに次の人に迷惑が掛かるかもしれないけど、最優先は佐曽塚自身......違う?｣
｢うぅ.....そう、かなぁ｣
それでも尚、渋り続ける佐曽塚にAは｢貴方は優しすぎるの｣と諭し続けた。
｢それにこの劣悪な実態が顕になったら、その部署は潰れるか、徹底的に行政指導が入るかもしれない...それをささやかな報復としましょう｣
｢俺もそれに賛成でーすぅ｣
｢わ、折緒!!風邪引くって!!｣
｢へ〜きぃ〜｣
再度アルコールが循環し、目を開けるのがやっとな俺に、Aは立ち上がって私物のブランケットを掛けてくれた。
彼女と同じ、柔らかな香りに包まれる。
生地全面に深い青色の夜空と星座が配われた厚手のそれは、あっという間に俺の体温を上昇させ、俺は漸く眠りに落ちた。
｢折緒も疲れてたんだね、...俺の、｣
｢『俺のせいで』って言ったらデコピンね｣
｢...Aには何でもお見通しだにゃあ｣
｢仲間なんだから当然でしょ、折緒も同じ気持ちだよ｣
時計は既に21時を回っていた。
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18錠目:『純情男子、未だ奥手』→←16錠目:『泣きっ面にデスゾーン』
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星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月8日 11時) (
レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - ゆりりんさん» わ〜!! 勢いある挨拶ありがとうございます〜^^ ちまちま更新していきますので気長にお待ち頂けると幸いです (2021年2月2日 1時) (レス) id: f96d68692e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - まず最初に…好き!!（挨拶）続きが読みたくてたまらないです！ (2021年2月1日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 棘水さん» 了解です！また何かあったら声掛けますんで、これからも更新頑張って下さい！！ (2019年4月9日 15時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!! が、合作イベント....!!大変魅力的で参加したい気持ちは山々なのですが私生活の多忙や内容が合作内容が全く分からず他の皆様にご迷惑をかける可能性しかないので今回は辞退させて頂きたく思います....また機会がありましたら是非....!! (2019年4月8日 22時) (レス) id: c7cb6e701d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棘水 | 作成日時：2018年7月20日 13時
