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59話 ページ18

「なんで俺ばっかりダメ出しされるのよ‥‥意味ないって‥‥‥‥」

「ふふ、お疲れ様」

「‥‥笑ってるね。その心笑ってるねAさん」

「心じゃなくて顔も思いきり笑ってるだろ」


村上くんと話していると突然後ろから声がした。
台本を持った岩本くんだ。

まだ村上くん以外のクラスメイトに耐性がついてない私は反射で一歩下がってしまう。



「‥‥‥良いよねぇ王子様は。どうせ文化祭終わったらまた爆モテするやつだ」

「‥‥‥僻み?」

「はぁ?別に妬んでないし。俺の方が見た目王子様っぽくね?とか全然思ってないし!」

「がっつり妬んでんじゃん。今からでも言ってやろうか?」

「文化祭前日でそんなこと言えないよ」

「そりゃそうだよな。‥‥‥はぁ、仕方ないから俺が王子役やるわ」

「全部分かってて言ってるよね??」



テンポよく交わされる会話が2人の仲の良さを示している。
女子生徒たちから絶大な人気を誇る2人だけど、こうして見ると普通の男子なんだな。

そのままボーッと見ていると村上くんが突然私の方を向いた。


「ねぇAさん!岩本くん酷くない?」

「‥‥‥‥え?」

「はは、Aさんキョトンてしちゃってるじゃん」

「‥‥‥‥えと、でも岩本くん似合ってると、思うよ?王子様の役」


何を言うのが正解か分からずとりあえず本心を言っておく。
するとさっきまで楽しそうに村上くんを揶揄っていた岩本くんの顔がどんどん赤らんでいって‥‥‥え?



「‥‥‥あり、がと。そう言ってもらえて嬉しい」


ちょっと動きで確認したいところあるから、俺行くわ。



そう言って俯き気味に部長の元へ早歩きで行ってしまった。思わず無言で村上くんを見上げてしまう。


「岩本くん見た目は結構厳ついけど中身は可愛らしいんだよね」

「‥‥‥ふふ、うん。そうだね」



「休憩終わりー!続きからやってくよー」



遠くで部長の声がした途端に村上くんの肩が落ちてうんざりした様子で練習に戻っていく。

本人的にはすごい大変なんだろうけど、落ち込んでいる様子がすごくコミカルで申し訳ないけど面白い。





‥‥‥‥今、少しだけ、学校が楽しい。

それは紛れもなく村上くんのおかげだった。

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設定タグ:snowman , ラウール , 阿部亮平   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Haniko | 作成日時:2022年11月23日 11時

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