42話 ページ1
AA
『舞子ちゃんおはよう！今日はとっても良い天気だね。まだ暑い日が続くから水分補給しっかりね！』
ピンポーン
「A〜亮平くん来たわよ〜」
「うん、今行く！」
カバンを持って玄関まで降りていくといつも通りの時間に亮平くんが立っていた。
まだ夏日も続いているというのにいつも亮平くんは爽やかだ。彼だけずっと初夏で生きてるような感じがする。
「おはよう、亮平くん」
「おはよう！昨日は一緒に行けなくてごめんね？」
「ううん、生徒会の用事でしょ？忙しいよね始業式とか、文化祭とか」
「そーう。あと生徒会選挙もあるしね‥‥」
げっそりしてるけど目はキラキラとしている亮平くん。
きっと生徒会の活動が好きなんだろうな。
亮平くんは入試成績1位で入学したから一年生から異例の生徒会入りを果たしている。
そんな彼は次期生徒会長の立候補に向けて忙しそうだ。
まぁ、亮平くんなら選ばれそうな気がするけど‥‥‥下手なことは言えない。私は違う学校なわけだし。
駅まで向かう道中でお互いの学校生活について話した。
「Aはどう？夏休み明けの学校は。変なやつに声かけられたりしてない？」
「私なんかに声かける人なんていないよ。あ、でもね。文化祭実行委員に‥‥‥なっちゃって。それがちょっと憂鬱」
それに席替えもあったし。‥‥まぁこれはわざわざ言わなくても良いか。
「文化祭実行委員！？‥‥‥Aが？なんで？」
元々大きな目をさらに大きくしてそう聞いてくるから三白眼が際立ってちょっと怖い。
「女子が1人しかいないから必然的に？‥‥はぁ、人前に出るの苦手なんだけどなぁ」
「‥‥‥Aだけじゃないんでしょ？実行委員って。男女ペアでやるはずだよね？」
「うん。あと1人はあまり話したことない人なんだけど。‥‥‥The漢って感じで」
「あ〜そんな奴何言ってくるか分かったもんじゃないね。どうせ自分たちがやりたいことばかり主張してくるだろうから、Aは関わらないようにしな？それでも勝手にやってくれるよ」
‥‥‥次期生徒会長になろうとしている人とはとても思えない発言だ。周りに学校の人いないよね？
思わず周りを見渡してしまう。いない。セーフ！
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月23日 11時
