57話 ページ16
「ありがとう。‥‥村上くんのおかげで、少し元気出た」
「‥‥‥いや。俺ならそう思うよ？ってだけで」
「ふふ、それでもありがとう。‥‥‥うん、私その子のこと諦めない。また仲良くしてもらえるまで頑張る！」
「‥‥‥‥そっか！」
私の宣言に対して村上くんはただ笑ってくれた。
相変わらず舞子ちゃんから返信は来ていない。
どこに住んでいるのかも、どの高校に通っているのかも何も知らないことに気づいたのは舞子ちゃんがいなくなってからだった。
それでも村上くんの言う通り、舞子ちゃんも同じようにあの夏を楽しんでくれていたと今は信じよう。
そして舞子ちゃんから連絡を取ろうと思ってもらえるその時まで、ずっと待ち続けよう。
私の周りには亮平くんがいて村上くんもいて、1人じゃないんだから。
「亮平くん！聞いて！」
「うん、どうしたの？」
「村上くんね、女の子の兄弟はいないんだって。従兄弟も再従姉妹にも女の子はいないって言ってた！」
「‥‥‥‥進展はなかったってこと？の割には元気そうだね」
「へへ。‥‥‥ちょっとね、弱気になっちゃって村上くんに相談したの。そしたら、その子だって嫌ってる訳じゃないよって励ましてくれて」
「‥‥そんなの、本人じゃないだからどうとでも」
「うん。結局本当のところは分からないと思うよ？でも、自分以外でそう言ってくれた人がいたことが嬉しくてさ。‥‥‥男の人の中にも良い人がいるんだなぁって思えたの。どうしても亮平くんに報告したくて！！」
「‥‥‥はは、良かったね」
「うん！やっぱり私まだまだ舞子ちゃんのことは諦めないことにしたから。亮平くんも応援しててね？」
「はいはい」
「ねぇ〜2回言う時は大抵話聞いてないとき！」
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月23日 11時
